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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.9 )
- 日時: 2011/10/19 13:44
- 名前: アニホとミシン (ID: WPbx8B95)
「鳥類に草花なんて、偽名みたいな組み合わせでさァ。……まぁ、この歌舞伎町じゃ名前なんてあって無いようなもんですがねィ」
偽名だと勘付いたのか、それとも冗談で言ったのか。
どちらにしろ沖田総悟と名乗るこの美少年がこれ以上言及して来ない内にこの場を離れるべきだと、エスペランサ・アーノルドはそう判断した。
「じゃあ、私はこれで失礼します。貴方は仕事に励みやがるなりサボるなり、どうぞご自由に今日という日を堪能しやがって下さい」
漆黒のプリーツスカートを翻し、学校指定の革靴で土色の地面を蹴り上げる。
「ちょっ、待ちなせェ!」と腕を伸ばす沖田だったが、伸ばしたその腕は指先すらもエスペランサの体に触れる事なく、エスペランサの姿は突如として消失した。
「……消えた?」
驚異的な瞬発力とか、動体視力では捕らえきれない速さとか。
そんなレベルじゃなく、本当に単純な意味で、エスペランサ・アーノルドは一瞬の間にこの空間から姿を消失させた。
それはまるで、魔法でも使ったかのように。
「変わった女でしたねィ……今度もし再会したら、団子片手に話してみるのも悪かなさそうでさァ」
呟き、沖田総悟はくるりと踵を返す。
ずっと同じ場所に留まっていては、あのニコチン中毒なマヨラー野郎に見つかってしまう。
銀糸のような髪をした美貌の少女を脳裏に思い浮かべながら、沖田は小さく微笑み、静に町を歩くのだった。
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