二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】魔法の国からやって来た【夢小説】 ( No.93 )
- 日時: 2011/10/19 17:45
- 名前: アニホとミシン ◆rWjtunSpWU (ID: WPbx8B95)
その可愛らしさと色香を活かし、キャバ嬢として。
十三歳を雇う店側もどうかと思うが、しかしそこは彼自身も自負する愛らしい顔立ちでどうにかなったらしい。
あるいは志村妙のオススメという肩書きが利いたのか。
なんにしろ、囮作戦のときにリーフレットを推してしまったのは土方だ。
ならば彼がこうなった原因の一端も自分にあると考え、土方はこうしてスナックすまいるに足しげく通っているのだ。
「初めて見た時は優しそうなおねーさんだと思ったけど、やっぱり人を見た目で判断しちゃいけねーや。あのおねーさん総悟なんかよりよっぽど鬼畜だぜ」
「近藤さんも毎日のように自業自得でボコられてるからな。……つーか待て、お前いま総悟って言ったよな? いつの間に名前を呼び捨てするような仲になった」
「ぎゃははっ。こないだおにーさんと一緒に酒飲んだ後、大浴場でバッタリ出くわしちゃってさー。誰かを呪う方法を聞かれたから教えたらそう呼んでもいいって言われたよんっ?」
「確実に呪う相手俺じゃねーか!! つーか死ぬの? マジモンの魔術師から教わった呪いとか使われたら俺死ぬしかないの!?」
喚く土方に、リーフレットはぎゃははっ、といつも通りの笑みを浮かべた。
「だいじょーぶだって。総悟に教えた呪い、夏場の水虫が治りにくくなるとかそんなんだし」
「……いや、それも地味に嫌だろ」
ハァ、と再び溜息を吐く土方。
そしてなにか躊躇うようにちらっとリーフレットを見た後、酒の入ったグラスに視線を向けてポツリと呟く。
「あのさ……その『おにーさん』って、なんか他人行儀じゃねェか? 一緒に酒飲んだ仲だってーのに」
土方の呟きに、リーフレットは笑い声を収めてそちらを向いた。
グラスを向いている彼の視線と、リーフレットの視線はかち合わない。
「だから、まー、その……あのな。総悟が総悟なら、俺も十四郎でいいぜ」
顔をあげる土方。
よほど恥ずかしいのか、その目はリーフレットの方を向いていないが、心なし顔が赤らんでいた。
酒のせいなのか、それとも……。
数秒の間きょとんとしていたリーフレットは、彼の発言に愛らしい笑みを浮かべ、グラスに酒を注いだ。
「おう。よろしく、十四郎」
——こうして真選組副長と異世界からの魔術師は、その間にある距離を徐々に詰めていくのだった。