二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケットモンスターspecial(悪ノ娘パロディ) ( No.13 )
- 日時: 2011/11/02 21:21
- 名前: 藍蝶 (ID: 6Bgu9cRk)
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/fmgss599/1006329.html#1006329
第1章(3部)<イエロー目線>
今、僕は王女の3時のおやつを運んでいる。
廊下に置かれ、壁に掛けられている豪華絢爛な飾り物は調度品。皆ここトキワグローブの権力、そしてエレキアの性格を恐れエレキアが王女になった途端、多すぎる程献上された。
僕の顔は王女ととても似ている。まぁ双子だし。でもそんな事言ったら内戦とか、困った事が起きそうなので言えない。言えるわけがない。
王女と瓜二つ、で知られる僕は一生「僕」で居続けるつもりだ。「私」には戻らないと決めた。決意は他人が思う以上に硬い。
目の前に、派手な装飾がされた扉が立ちはだかる。今までに何回見たかな、最初見た時は大層驚いたものだ。
「失礼します。今日の3時のおやつをお持ちしました」
そう少し大きめの声は、遠くの教会の鐘が鳴る。……あぁ、トキワ側カルティン(別名:青ノ国)大教会のか、と認識。3回の鐘と豪勢なおやつ、それだけで王女の表情は至福に包まれる。僕はさっき鐘にさらわれた言葉を改めて言い直した。
「失礼します。今日の3時のおやつをお持ちしました」
「あぁ、イエロー?うん、ありがと。美味しそうよ、それ」
人差し指で僕の持つ皿の上を指す。今日のおやつはちょっと腕を奮ってみた。僕から皿を取ると、フォークでチョコレートで出来た飾りを崩し、弄ぶ。内心凄く残念だが、大事なのは味だと自分に言い聞かせる。王女はおやつを一口、口にするとまた満足気な顔を浮かべる。
「とても美味しい。ほかの召使もこれくらい作れたらいいのにね」
にこにこ笑っておやつを頬張る彼女は、とても無邪気にしか思えない幼さが滲み出ていた。何も知らない愚民はこれに惚れる。同情しか出来ない。
「もうすぐ乗馬の時間ね、ジョセフィーヌを用意しておいて」
「承知致しました」
ジョセフィーヌは王女の愛馬である。毎日王宮の残り物をご飯としてあげているが、王女……エレキアは知らない。国民のご飯がジョセフィーヌよりも貧層で質素で少ない、という事を。
一人、ジョセフィーヌ専用の質素な馬小屋に向かうと、ジョセフィーヌの呻き声が聞こえた。誰か、いる?
急いで駆け寄ると、聞きなれた声が聞こえてきた。
「わっ、暴れんなよっ!大人しくしろって、この!!」
「っ、エメラルド!」
エメラルドがジョセフィーヌと格闘していた。
「イエローつっ立ってないで助けろよ!」
「えっ、あ、うんっ」
まぁ、うん、格闘じゃなくて一方的に襲われてた、が正しかったようだ。