二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケットモンスターspecial(悪ノ娘パロディ) ( No.14 )
- 日時: 2011/11/05 14:55
- 名前: 藍蝶 (ID: 6Bgu9cRk)
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/fmgss599/1006329.html#1006329
第1章(4部)<イエロー目線>
エメラルドにどうしても懐かないジョセフィーヌを乗馬場に連れ出すと、僕は持ち場に戻った。いつもの様に掃除三昧だ。
今日僕が担当する掃除の持ち場は少し違う。貴重な武具や壺、宝石などを磨くのだ。傷を付ければ即クビ。傷を付けた物も捨ててしまう。召使だって執事だってメイドだってなんだって。機嫌を損なう様なら、もう用無しのクズだ。
だから、ここにあるのは王女の気まぐれで「生き延びた」王女だけの物。
「お金が足りなくなったんなら、税を増やせばいいじゃない」
さぞ名案だ、と言わんばかりの笑顔でエレキア王女は言った。
先程大臣が駆けつけてきたのだ、「もう金庫にお金がありません」と。そこで緊急会議が開かれる事となった。
前にもそんな事はあった。その時は王女の言う通り税を三倍にしたことで収まった、という事だが国民が「もう金なんてない」と言いだしたのを境に、相次ぐ金銭問題が出てきたのだ。細かい事は分からないが、とにかくそのせいで金庫の金はもう空同然なのだという。
「ですから、その様にしても無駄なのです。止むをえません、税を減らした方がいいかと……」
発言した大臣はそれきり黙りこんでしまった。目をつぶって、泣くのを堪えているようでもあった。
王女はしばらくむすっとした顔であったが、また名案だ、という笑顔を素に出し、こう告げた。
「だったら直接搾りだせばいいじゃないの!」
沈黙が続いた。皆がその言葉に唖然とした。まさかそう来るとは思っていなかったのだ。さっき発言した大臣も、しばらくポカンと口を開いていたが、次第に顔が紅潮し怒りを露わにしている様子が見てとれた。
するとその大臣はいきなり立ち上がり、こう叫んだ。
「あんたのせいで、どれだけの人たちが犠牲になり死んだと思っているんだ! 税を増やし、無駄遣いをし、無くなれば国民から直接奪い取る!? 非道だ、あまりに非道すぎる!!」
その言葉に、今度は王女が顔を紅潮させる番だった。思い切り玉座から立ち上がり、
「何よ、大臣のくせに偉そうにのう! 何時から私に口を聞ける立場になったのよ! 有能だと思っていたのに、とんだ見当違いだったわ、粛清よ粛清! 私に逆らうのなら粛清……処刑してしまえっ!!」
「処刑」という言葉に大臣の顔が青くなって冷めていく。こんな事になるなら言わなきゃよかった、と顔に堂々と書いてある。
「お、お許しを! 私のミスなのでございます、どうか、どうかお許しくださいませっ、王女様ぁぁぁぁあ!」
大臣はそのままどこかに連れて行かれた。王女はふんっ、と顔を反らし、乱暴に玉座に座りなおした。
次の日、大臣は公開処刑にされたそうで。