二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモン】漆黒の炎に罪を乗せて【BW】 ( No.103 )
- 日時: 2012/11/25 19:25
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: ewPwHyR8)
- 参照: http://id37.fm-p.jp/336/8710kuma/
シンクが時渡りをしている一方で
二人の少女は不気味なアジトを彷徨っていた
ただ
後ろの人影に気づくことなく…
ひたすらにー
「ジャイアントホールのアジトと言うのに
此処まで人の気配がないのは可笑しいと思うんだけど…
その前に、アナタは誰なの?名前教えてもらわなかったけれど」
マリンがそう問うと
隣で並んでいた少女は笑って
「まず、自分から名乗るものじゃないでしょうか?」
言ってきた。
少しだけ、いらつきを覚えたが
的を得た答えだったので
「わかった」とだけ言って自分から名乗ることにした
「私はマリン。マリン・フェアリー・リリアーナよ」
そう言うと、少女は笑って
「マリンさん…ですね」と言った。
「私はショコラ・ディルカロンドです」
そう短く言ったショコラはマリンの手を握ると
「早く進みましょう!」と言って走り出した
いきなり手を掴まれ走り出されたからか
驚いてこけそうになったマリンだったが
何故か怒る気にもなれなかったので
仕方がなく一緒に走っていた
まさかその行動が
仇になるとも気付かずに—…
奥に進むにつれ
肌寒さが増していき
手は徐々に悴んでいった
マリン達はなるべく寄り添って
寒さに耐えるようにして歩き続けていた
その時
"がさっ"
何処からか人の足跡が聞こえた
急いで後ろを振り返ると
「…アルさん?」
そこに立っていたのは
マリンが探し求めていた人で
片手にボールを握りしめて
マリン達を睨むように
ただ立ちつくしていたのだ
「アルさん、どうしたんですかー…」
近づこうとしたマリンの手を
ショコラが必死に掴み
まるで「行くな」と訴えるかのように
ショコラもただマリンの手を掴んでいた
その二人に挟まれたマリンは
どうすればいいのか分からなくなり
ただ呆然とすることしかできずに
マリンも同様に立ちつくしていた
「どうしたの…ショコラ…」
そう言うとショコラは声色を変え
「考えたらどうですか?」とマリンを冷ややかな目で見た
そう言われてマリンは我に返った
どう見ても、今のあるは正常じゃない
理由は、一つしかないだろう
「ゲーチス…のせい?」
「あたりです」
そう言うと、ショコラはボールを構えた
「待って!
アルさんは駄目なの…!」
それでもショコラは聞かなかった
誰かを犠牲にしないと、全ての人種が消えてしまう…
まるでそう語るようにボールの中からポケモンをー…
「だっめええええええええええええええええええええええ!」
マリンはボールからバタフリーをだし、
「ねむりごな」を支持させてマリンはアルを眠らせた
ショコラは驚いて目を見開いていたが
「甘い人なりの方法なんですかね」と言って
ボールをポケットの中にしまった
仕方がないから私は
眠ってしまったアルさんを担ぐことにした
「…マリンは…………」
「ん?」
「…馬鹿力?」
「え?!」
そんな会話をしている時だった
「本当に、私の邪魔をする人間はたくさんこの世にいますね。
まぁ、いいですよ。今すぐに滅ぼして差し上げましょう!」
真後ろで誰かの叫び声…
否、狂い声が聞こえた。
誰かは一瞬で分かった。
ゲーチスだ…!
「アナタは…」
「「ゲーチスっ!!」
その時
ショコラとマリンが
本当に一つになれた時だった
「アナタは絶対に許さない…アルさんまでこんな事に…」
そう言うと、歪んだ笑みでゲーチスは笑った。
「そいつが悪いんですよ?
勝手に侵入してきたんですからねぇ。
…まぁ、アナタ達も同じ目にあってもらいますけど??」
そう言って、ボールを握った。
それにこたえるかのように
二人もボールを握る。
「…ショコラ、行くよ?」
「もちろんですよ」
二人は同時にボールからポケモンを投げた、
「行けっ」
「サラマンダー!」
「ピウ!」
そこには
リザードンのサラマンダーと
ピカチュウのピウが
ゲーチスを睨むように
堂々とそこに立っていた
「サザンドラ、シビルドン
この者達を…消去しなさい」
激しいバトルが
開幕するー…
そんな予感がした。
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「早く、行かなくちゃ」
もうひとつの時渡りをしていたシンクは
何故かとても急いでいた
理由はシロガネ山に向かう為
兄のNを探すためだった
また異様な浮遊感
頭が少しクラクラする
それでも僕は向かった
過去のトウヤ達のもとへ—…
「うわああああああああああああああああああああああああああ」
「え」
どすーん!!
どうやら、誰かの上に落ちてしまった模様
うぅ、早くどかないと
「いってー…。
お、お前誰だよ…」
乗ってしまった人の顔をよく見ると
過去のトウヤだった
今より生意気さが増しているー…
「うわああああああああああああ?!
ご、ごめんね?!」
急いで飛び降りると
足を引っ掛けてしまい
尻もちをついてしまった
その拍子に帽子がとれ
長い髪が帽子から出てきた
(うっわ…)
自分のドジっ子さに嫌気がさし
シンクは帽子を拾ってまた被りなおそうとした
その時、帽子を持っていた手を不意に掴まれた
「ふぇ?!」
驚いて目の前の少年を見ると
どう見ても不機嫌そうな顔をして
睨みながらシンクの手を掴んでいた
「あの…何か?
あ、乗った事を怒ってるなら謝るから…」
怯えながらシンクがそう言うと
少年はシンクの髪を縛っていた紐を取った
行き成りの事に驚きすぎたシンクは
「ふぇあ?!」と変な声を出した。
「お前さ、」
そうだ、この時のトウヤはお兄ちゃんと別れたころの…
冒険を終えた時のトウヤなんだ
「Nの身内?妹とかそう言う系か?」
どきり、としてシンクは冷や汗を流した。
目を合わせれず 逸らしていたら
顎を掴まれ、無理矢理目を合わさせられてしまう
「う、ぁ…の…え、と」
挙動不審になって、目をいろんな方向に動かしていると
「おい」と低い声で呼ばれた
涙目状態になっているシンクに
追い打ちをかけるようにトウヤは聞いた
「もう一度聞くぞ?
お前はNの身内か?」
しかし、シンクは答えなかった
ただ黙り続けていた
そんなシンクに痺れを切らしたのか
トウヤは舌打ちをして
掴んでいた手を投げ捨てるように離した
「役に立たないな…」
そしてそう言った。
だけど シンクはめげなかった
「−トウヤ」
名前を呼ばれた少年は驚いた。
名前を明かしたことない少女に名前を呼ばれたから
「……大好きだよ」
そう言って少女は消えた
彼は分からなかった
しかし、気付くことになる
なぜなら 二年後
少年は彼女を彼として出会う事になるのだからー…
「…あいつは一体?」
消えた彼女を求めるように
少年は先ほどまで彼女が立っていた場所を
眺めることしかできなかった。
(これですべてが完了した
トウヤ、これでアナタ達は助かるよ)
時渡りを終えたシンクは
意識を浮遊感に任せて
そのまま鎖したのであった—…