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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモン】漆黒の炎に罪を乗せて オリキャラ募集★ ( No.73 )
- 日時: 2011/12/20 19:15
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: bEtNn09J)
- 参照: http://id41.fm-p.jp/256/kumakuma8710/
第十八話 −助けるよ
「お前が来たから…リリーは、帰ってこなかったんだ。お前さえいなければ…リリーは!」
血だらけになったリリーもどきは叫び続ける。俺から目を離さず、涙を流しながら。
「リリーがいなければ…俺は、俺は…!」
影は揺れ続ける。泣き続ける。叫び続ける。
風の音が強くなり、耳鳴りが激しくなる。
「俺は…お前が…!?」
「我慢しなくていいから。」
俺は影を抱きしめた、強く、強く。
「くっ…お前に何が…!」
「俺も、さ。越えられない壁があるんだよ。今も、ずっと…昔から。」
レッド。俺のライバルで頂点のトレーナー。昔はバトルに勝ったこともあったし、ぶつかり合う事もあった。
でも、今は違う。俺はあいつに叶わない。
「お前も怖かっただろ?知らないところに連れてかれて…。」
この影は昔のリリー。目の色も光を失くしてしまっている昔のリリー。
「俺にできることはすくねぇけどさ、一緒に…。」
頑張ろうぜ?
そう言おうと思った時、
「俺は…幸せだった。」
リリーの姿が薄れ始める。
「グリーンさんにあえて、嬉しかった。でも、恐かった。この震えはぬぐえなかった。」
影はどんどん薄くなっていく。
「リリー…!」
「でも、今は違う。」
影は涙を流した。
「ありがとう。」
過去のリリーは消え、
「ぅ…。」
今のリリーが目覚める。
「おはよう。」
「おはようございます。」
それはきっと、
恋の一歩なんだと俺は
信じたい。
「グリーンさん…ありがとう。」
笑うリリーの瞳にもう、影は纏っていなかった。
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