二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモン】漆黒の炎に罪を乗せて ( No.97 )
- 日時: 2012/09/01 22:39
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
- 参照: http://id37.fm-p.jp/336/8710kuma/
自分を否定する人間。
ウザかった。はっきり言って。
トウヤだけは違うと信じていた。なのに…。
私はボールから、ないとを出す。
トウヤもボールを取り出してジャローダを出す。
「…消えてほしい。
全て消えれば私だけになるから。そうすれば…全て幸せだから」
そう言いながら私は無になって攻撃を指示する。
トウヤの顔が険しそうに見える。
それでも私は攻撃をした。
ただ、ひたすらー…トウヤの存在を否定するように。
その時だった。
ないとが倒れたのだ。
はっ、と目覚める。
自分は何をしていたのだろうか—…?
「ないとっ…ごめん……!!」
すぐさま回復道具で回復させる。
ないとは、優しい顔で僕を見てくれてた。
「あれ…?」
トウヤがいる。当たり前…だよね。
頭が痛い。数時間前の記憶が全てない。
ただ、一つ分かるのは
僕がトウヤと戦ってただけということ—…。
「僕は—…?
そうだ。アリシアと体を変えて…」
そうだ。二重人格がー…。
もう、こんな体嫌だな。
自分の意思で動くことなんてどうせ、できないんだ。
「もう、いやだー…」
泣き崩れる。
恐い。恐い。
自分がむしばまれて侵食されていくのが。
(アリシアちゃんってさーかわいそうだよねぇ。
あんな、変な人がお兄ちゃんなんてさー)
(変じゃないもん!
そんな事言う、アナタが変なんでしょ?)
(な、何よ!)
(ふんっ)
そうだ。アリシアは私にとって本当の姿で—…。
僕がアリシアをむしばんでいってるんだ。
「シンク」
トウヤが僕の目の前に立っていた。
「な、に」
ふいにしゃがんだと思うと、抱きしめてきた。
「ッ…」
ボロボロこぼれおちる涙。
なんか僕、涙もろくなった気がする。
…トウヤのせいだよね。
「うわああああああああああああん!!」
トウヤの胸はあったかくて
幸せだった。
sideリフィナ
「リエン。アナタ…なんであんな事をしたの???」
リフィナがリエンの顔を見ながら言う。
「瞳で恐れられる人を少なくさせるんじゃなかったの?」
その言葉にリエンは返事をしない。
「ねぇ、聞いてるかしら—…」
その時だった。
リエンが音もなく倒れたのであった、
「リ、エン…?」
急いで倒れたリエンを起き上がらせる。
よく見ると、酷い怪我だった。
あの子と戦った時の傷じゃないー…もしかして、
「アナタ、ゲーチス様に…?」
「お前にっ、関係なっ、いだろ…!」
大量に流れる血。
きっと、殺されかけたのだろう。
あの人は、最低だから。
「……関係なくないでしょ。
アルは何処に行ったの?居場所知らないの—…?」
「あいつが、ゲーチスに捕まってるんだ…。
助けに行こうとしたら、怪我を負った。情けないな」
かはっ、と血を吐きだすリエン。
焦って何もできない。
「リエン…!!
どうしよう…」
涙目でリエンを見ると、リエンは笑った。
「大丈夫だ。あいつは助かるから」
「そんな事より、アナタは…!」
もう、リエンの目は明らかに焦点が定まってなかった。
動揺して言葉も出ない。
「頼んだ…マリン」
すっ、と差し出された手を握ることしかできない私を許してください。
(変えて見せる)
(世界の常識など)
(だからどうか手伝って)
(誇り高き戦士…)
(私はアナタの助けを待っているから)