二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

消失、其れは. ( No.6 )
日時: 2011/10/31 19:13
名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: Lnsp.uM2)


「——エリス! エ、リッぐぁあっ……」

 い、たいいたいいたいいたいいたいいたいいたい。
 脳内がぐちゃぐちゃに掻き回されてるような感覚に吐き気を覚え、体内を駆け巡る其れに激痛を覚えた。

「もう少しで完成する……!」

 脳内で男の声がじいんと響いたかと思えば痛みも何もかも放り出し私の意識は闇へ落ちた。どうしてこうなったんだろう、ねえ、ミストレ、今なら君を頼りに出来るよ、バダップ君、エスカ君、ねえねえ、助けてよ。私——……

「……サージェ、ナタリー、アリス、リオン」

 目を覚ました時、私の目の前には仲間のぐったりとした姿があった。激痛がまだ襲ってくるが、目の前の仲間は今にも死にそうでぜえぜえとか細い呼吸を繰り返しているだけだ。
 手枷と足枷が邪魔をし、近づくことすらままならない私をあざ笑うかのようにドアが開いた。

「エリスレーラ・カルス。及びその部隊」
「っ貴様……ぐあ!」

 思い切り睨めつけると、男は私の頬をブーツの踵でぐしゃりと踏んだ。顔に激痛。あーあ、綺麗な顔なのに、こんな野郎にぐしゃぐしゃにされるとは。涙は出なかった。死にたくなった。今頃、弟は何をしているんだろう。意見の相違が多く犬猿の仲とも言えるけど、こういうとき、私は弟の身を案ずる。

「貴様等には今日から捕虜となって貰おう」

 にたり。
 口角を釣り上げ残忍な笑みを浮かべた男が言い放った。手枷が外され、私はすぐさま腰にあった銃へ手を伸ばした。すかさず男が私の手を抑え、銃口を私の米神にあてた。

「——死ぬか捕虜になるか、どうする?」


 そんなもの、決まってるじゃないか。




「お前等みたいな下衆の捕虜になるぐらいならば——私は死ぬ」





小ネタ.
た、多分戦場で敗けたんだよエリスちゃんは!←