二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

002 ( No.3 )
日時: 2011/11/03 23:04
名前: サカナデ (ID: 6V.kj4ii)


002












「…わからないのに……いらつくのかよ…?」

「…すみません、阿良々木さん」

「なんでお前が謝るんだよ」

「理由がわからないものを押し付けてしまってすいません。これがどういうものなのかわかりませんが、とにかく近づかないほうがいいと思います。特に阿良々木さんは。阿良々木さんみたいに怪異が寄り付きやすい方は。」

「だから、そういう訳にもいかないだろ八九寺!お前がいらつくならその原因を取り除かなければいけないだろ」

そうだろ。今更なんだ。今更すぎるだろ。もうお前という怪異に関わってしまったからしょうがないんだよ。知っているのを知らないふりなんて僕にはできない。それなら死んだほうがましだ。

「原因なんて…でもどうするんですか。方法なんてないですよ。何にいらついてるか、何が町に来のかさえわからないのに」

「それもそうだな。とりあえず町中うろうろ歩いていればその怪異にめぐりあえるんじゃないか?」

「単純すぎやありませんか?町を歩いているかどうかさえわからないんですよ。」

「歩いているかもわからないか…。怪異ってやっぱり厄介だな。そのくせ取り除くのは単純な理由だし、怪異に会うのも単純な理由だ」

単純で厄介。そして理不尽。でも理不尽なんて言えない、そんな理不尽さがあるのが怪異。そんなよくわからないものがまたこの辺をうろついていると考えるとめんどくさいな。ああ、そうか。うろついているかも分からない、だったか。

「とにかく阿良々木さん、今はたいして私に負担はないです。大丈夫ですから」

「何もしてやれなくて悪いな、八九寺。でもとりあえず忍に相談してみるよ。でもなんでお前がいらついているんだ?それも分からないか?」

「わからないです。私が蝸牛だからでしょうか。道を歩いているうちにそういうのに敏感になったとか」

「蝸牛か…。どうだろうな。そもそもお前だけがいらついているのかも分からないしな。町中の怪異がそうなのかもしれないし。だとしたら忍にも少し影響がでるんじゃないか?」

「それでしたら阿良々木さんにも影響がでるのではありませんか?」

「…僕は例外なんじゃないか?半分人間だし」

「例外ですか。そう言ってしまえばそこまでですね。そういうことにしておきましょう」

「そういうことって…なんで僕には影響がでないと思うんだ?」

「変態だからです」



……めんどくさい奴になってるな、こいつ。

何かとつけて僕を変態にさせようと必死なのがみえみえだぜ。

小学生を見てテンション上がるぐらいの僕のどこが変態なんだ。

もっとすごいやつがいるはずだ。部屋では裸で生活してるやつとか、百合なやつとか。



「どっちにせよ、今僕が出来ることは忍がおきたら聞いてみることだ。それまで待ってくれ。あいつなら何か知ってるかもしれないしな」

「はい。何かあったらすぐに阿良々木さんに報告するようにしますね。あ、羽川さんにも報告しなければならないですね」

「…お前ほんといらついてるな」



いつも通りといえばいつも通りな会話をしながら僕はゆっくりと腰を上げる。夏の日差しはまだまだ僕には容赦ない。

ぐーっとのびをしてみる。

特段期待したわけでもないが、やはり暑さは変わらない。

僕はなんとなく公園をでて八九寺とおしゃべりをしながらみなれた街並みを歩き出す。

幸せを感じながら。こんな日々が永遠に続けばいいと思いながら。

でもそれはどうもダメならしい。

ストレスはある程度ないといけないとはよく言われたものだが、怪異もそうなのだろうか。そのぐらい怪異と出会わなければならないのだろうか。

そんなことを連想してしまうぐらい僕は怪異と関わってしまう。だから今回もその一つといえるだろう。そのままである。



僕はまた怪異がらみに首をつっこんでしまっただけ



今回のことも日常といえば、日常。

怪異に出会うのが日常となってしまって、今ではもう普通が何なのかもうよくわからない。

後悔ばかりだがそんな後悔が増えていく日常。そのはずなのに



そのはずなのに



怪異として出会った八九寺と話していることや怪異からの助けを求められ、友達になってしまったことに後悔はない。

後悔するようなことのせいで出来てしまったものなのに、今は友達になって後悔してない友達がいる。

そんな不思議で矛盾している残酷な友達が増えていく、日常。


そんな日常がまた今日もやってきた


日常の一部として僕は彼女に出会った