二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【短編集】哀願祈願☆恋模様【※題名変えました!】 ( No.114 )
日時: 2012/01/07 22:33
名前: 愛河 姫奈 (ID: bEtNn09J)
参照: http://id41.fm-p.jp/256/kumakuma8710/

悲恋っつー悲恋じゃない。てか、シルバーがイエローを好きだ。って自覚することの話。



姉さんが好きだったのに。姉さんはあの人に取られてしまった。
俺はてっきり、姉さんはグリーンs…が好きなんだと思っていた。
しかし、違ったのだ。姉さんの好きな人は…。
想像もつかないような人で、あの人が裏切ったなんて思いたくはなかった。
イエロー先輩はどうしたんですか?って、聞きたかったが…なるべく抑えた。

「よ!ブルー!!」

あの人は俺の幸せと、イエロー先輩の幸せを奪ってった。
イエロー先輩はニコニコと笑ってる。
…意味が分からない。不愉快だ。

「何故お前は笑ってるんだ?」俺は一度イエロー先輩に聞いたことがあった。
彼女は当たり前のような顔をして言った。

「レッドさんが幸せそうだからですよ。」

好きな人が幸せそうなら、それだけで十分ですよ。そう言って。
俺にはその考えができなかった。
彼女のその考えはあまりにも新鮮で、斬新で…真似をしたいとも思わなかった。

「レッドさんはね、僕にいろいろ教えてくれたんです。」

ポケモンの話、旅の話、修行の話、ロケット団の話し…色々思い出だったんだ。と、小さい少女は淡々と言い続ける。

「全部、勉強になったんです。僕は捕獲もできないしバトルもできない。
何にもできなかった僕に、グリーンさんやレッドさん。ブルーさんが教えてくれたんですよ。」

グリーンさんの修業はつらかったですけどね。と、思いだすように言う彼女に少しいらつきを覚える。

「…?」

今の感情は…?まるで俺は彼女を求めるように…。

「そうか…。」

分かってたじゃないか。俺は前から彼女を…。

「どうしましたか?」

何も知らない彼女は頭に「?」を浮かべ、俺を見てた。

「…待っててくださいよ。」

「はい?」

「俺は必ず、お前を向かしてみせる。」

にやり、と笑って彼女を見た。彼女は驚いている。
あぁ、失ったら取り戻せばいいんだ。

俺は彼女に背を向けて森を出た。


「…両想いだったんですか……?」


彼女の声も聞かないで。