二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【pksp/pkmn短編集】さよならの恋の唄【リク募集】 ( No.238 )
日時: 2012/05/13 15:02
名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

<第二話>


そして、僕は"グリーン"に変わった。転生したのである。見た目は男の体になったと言える。まぁ、天使に性別はないんだが…。
転生した理由?それは…僕がブルーさんを諦めれなかった<未練>があったとしか言いようがない。
だけど、グリーンさんの体は自分の意思を持っているのでたまに記憶が吹き飛ぶ。なにがあったのか思い出せないときがある。
この体に早く慣れないと、僕はブルーさんを守れない可能性がある。あぁ、ブルーさん…今日が結婚式か。
クリスさん、仕事…放棄してしまってすいません。そういえば、あの日から一度も戻ってないし…手伝ってもない。

「一度、顔を出しても許されるかな?」



僕はそう思って動こうとした。その時、


「ッ…!!」


視界が、ぶれた。記憶が、薄れ、眩暈が、するー………グリーンさん、どうしてアナタは……。




でも、貴方なら…やってくれる気がするんです。
ーブルーさんを、あの人から守ってくれるって。




〜グリーンside〜

体を貸した。その分、今まで以上に負担が倍かかる。辛いが、イエローの願いを助けるためには仕方がないだろう…。
天使が、堕天使に「お願い」するほど大事なことなんだろうからな。俺は止むを得ず了承した。
その前に、ブルーと言う女を見ておこう…もし、俺が嫌いそうな奴だったら…助けない。イエローを見捨てることになっても。
少し悲しげに「ふっ」と笑った。所詮、あいつも俺も「堕天使」になってしまったのには変わりないのだ。

そう言えば、幼馴染だったあいつは俺が「堕天使」と言う事を知らなかったな。ずっと、黙っていたから。

そんな下らないことを考えながら、ふと前を向くと…一人の女と目が合った。…こいつは?

(ブルー、さんッ!)

心の中でイエローが叫んだ。彼女は、俺をずっと見ている…綺麗な瞳の女だな。こちがブルー…か。
ブルーと言う女に俺は手を伸ばす。彼女もその手を取る…言わば、逃避行だ。許されなくてもいいー…お前を愛したい。そう思った。

「許されないけど…"ホント"の恋をあたしはしてしまった……」

彼女は小さくそう呟いた。彼女はどうやら今日、許婚との結婚式だったらしい…まぁ、親には怒られるだろう。

「ねぇ、アナタ…名前、なんて言うの?あたしはブルーよ」

「俺はグリーンだ」

「そう。ねぇ、グリーン…あたしを、遠くへ連れてって!あたしはもう、許婚と結婚なんかしたくない…
だって、許婚がね?今まで、弟のように可愛がってた子なのよ?そんなこと結婚なんて、想像できないのよ…それに、あたしは…」

俺はブルーが言い終わる前に、口をはさんだ。ブルーはその言葉に満面の笑みを浮かべた。

「お前を、連れてってやる。だれにも邪魔されないような空間にな」

「ありがとう」

もしも、この行いが駄目だと言われても…今の俺達は止まる意思がなかった。そして俺達は…


体を重ねた。愛し合った。
何度も繰り返して「好き」「愛してる」と言った。







だから俺は誓った
<グリーンさんッ、お願いです>

あいつからブルーを救うために
<あの人から…ブルーさんを救ってください>

自分の命にかけても守り抜くと
<愛してるのならば…できますよね?>



"当たり前だろ?イエロー"
<そうですね、では僕は…"その時"が来るまで眠りについておきます>


「グリーン、大好きよ?」

「俺もだ」


イエローが言う"その時"がもうすぐならば…俺は命を落とすことになるのだろう。
それでも、笑顔で笑いかけてくれてるこいつが居るのならば…俺はそんなこと容易いんだと想像できるのだった。








その時、天使界では凄まじい争いが起きているなど、「堕天使」の俺にわかるはずもなかった。