二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【pksp/pkmn短編集】さよならの恋の唄【リク募集】 ( No.240 )
日時: 2012/05/17 22:25
名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)



シブレ×イエロー



寒い山。頂上にレッドさんがいる。会うために山へ登る。だけど、今日はそこに思い人はいなかった。
代わりに居たのは、赤い帽子と赤い瞳—…レッドさんと髪形だけ違う人。年齢もきっと、レッドさんと同じぐらいだろう。
その人は、僕に背中を向けて頂上に居る。しかも…半そで。赤い人は雪に強いのだろうか?

そう思いながらも僕は彼の方に手を置こうとした。まず、あいさつをしようと思ったのだ。
しかし、手は彼の肩に届く前に捕まった。腕が、痛い…。握力…強いな、この人ッ。

「痛い、ですッ」

僕は泣きそうになった。この人、恐い。冷たい。手にぬくもりがない…なんで?どうして?


「君は」

彼は小さくつぶやいた。

「僕を…助けてくれる………?」

涙が、出そうになった。なんで恐いなんて思ってしまったのだろうか?彼は寂しいと思ってるだけなのに。


「僕は、何もできないかもしれない…でも、アナタを温めることぐらいなら出来ます」

「…ありがとう」

目の前に居る"アナタ"は嬉しそうに笑った。
バトルはできなくても、温めることなら僕でもできる。

「ねぇ、君の旅路の話…聞かせてくれる?」

僕はその言葉に「はい」と答えた。少年は嬉しそうに眼を細めていたのであった。


「それでですね、僕は人探しの為に旅だったんです」

「そうなんだ…俺はね、単純にポケモンが好きだったから」


大人っぽくて、無口そうだと思ったけど…ポケモンの話になると彼はとても子供っぽくなることが分かった。
意外な一面を見れたことに少し感謝をした。レッドさんとは正反対だと思った。

ころころと表情を変えるレッドさんと、"無"と取り巻く少年。グリーンさんより愛想は悪いけど、ポケモンの愛は二人と同じくらいにある。
ポケモンを愛してくれてるのなら、それだけで十分だった。友達になってくれるなら、大歓迎だった。


「僕…」

「ねぇ、そろそろ終わりみたい」


アナタはそう言って僕の背中を押した。そうすると、僕の周りは白にまみれる。


嫌だ!貴方に居たいことがたくさんある!


僕は足を踏ん張って、叫んだ。
彼は驚いて目を丸くしていた。
それでもいい。僕は、伝えたい。



「アナタは、生きていい人です!」


その言葉に"ありがとう"と返事が来たのは瞳を瞑ってからだった。




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