二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【pksp/pkmn短編集】さよならの恋の唄【リク募集】 ( No.289 )
- 日時: 2012/07/01 22:00
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
- 参照: http://id37.fm-p.jp/336/8710kuma/
レッド×♀グリーン
【どうせいつか裏切られるのならば】
和風パロディ
ずっとずっと一人ぼっちだった。
誰も本当の自分を見てくれなかった。
「醜い」と言われて怪我をおった。
片目が負傷して半分しか世界が見えなくなった。
命がどうでもよくなってきた。
「もういっそ、捨ててしまおうか」
今日も始まる残酷な一日。
だけどそれは、一部の記憶としか言いようがない。
終わる筈のない虐め。追放。
なんであたしが?ねぇ、なんで?
苦しい。悲しい。寂しい。辛い。吐き気がする。
目が、あまり見えない。
外の世界が、分からない。
外に出れば石を投げられて
苦しみを味わらされて。
絶望しか見えなくて。
叫ぶ事も出来ず、
無言で狂う事しかできなかった。
「もう…死にたいよ」
だけど、それはできなかった。
傷は負う。痛みも感じる。
それでも
死ねない。
過去の自分を罵る。
馬鹿、馬鹿、馬鹿。
日に日に増えていく傷跡。
もう誰も信用できなくなった。
吐き気は日に日に増していく。
もう嫌だ。
死にたいのに、どうして死なせてくれないの?
「尊い命だ」
なんて誰が語り出した?
ふざけるな。
こんなにも傷つけられているのに尊いだと?
「化け物!」
ーあんたと同じ人間だよ。
災厄の瞳。
この瞳を町の人は罵倒する。
それでも
あたしは
この瞳を
誇りに思いたい。
そしてある日であった少年。
あたしはこっそり家を抜け出して食料を探している時だったので身がまえた。
だけど、少年は初めて会ったあたしにこう言った。
「綺麗な瞳だな」
とても明るく、陽だまりのような笑顔で。
その笑顔はあたしにとっては残酷なだけで…胸が締め付けられた。
ーだから
「…あたしに近づくと、祟られるわよ」
それだけ言って逃げた。
嫌だった。
これ以上嫌われるのが。
辛かった。苦しかった。
逃げるしか選択肢がなかった。
もういいでしょ?十分生きたのよ。
死にたいよ。
その時だった。
腕を誰かに捕まった。
背中から冷や汗が流れる。
ーマタ、クルシメラレルノ?
目をつぶった。
手を振り払う事も出来なかった。
その声は…
「なぁ、なんでそんな傷だらけなんだ?」
さっきの彼の声で…
「?!」
驚きが隠せなかった。
そんな質問しないでよ。
こっちはそれどころじゃないのに。
早く、他の人間に見つかる前に逃げなければ…!
「離せッ!!」
急いで我に返って手を振り払おうと腕を振る。
だけど、離れない。
目の前の男はあたしの顔をじーっ、とみている。
ーバレテシマウ
オソロシイ コロサレル? ソレハイイ
キズツケラレル? イタミハモウイヤ
クルシメラレル クルシマセナイデ
モウ… モウ…
コレイジョウ クルシメナイデ!!
「離せ!!!」
声を荒げて手を思いっきり振り払う。
相手は少し驚いた顔をして手を離す。
ー今だ。
あたしは最後の力を振り絞って走った。
「もう、嫌だ」
「死にたい」
「殺してよ」
「痛みのない程度に」
「直ぐに逝ける様に」
「殺してください」
家に戻って手を絡ませて願った。
「お願いします…もう、殺してください」
何時からだろう。こうやって願ったのは。
早く死にたいってずっと願ってた気がする。
でも、死ねないの。
不死身だから。
あたしは。
死ねない体質だから。
だって、あたしはー…
人間と妖怪の
ハーフ人だから。
父が人間。母が妖怪。
お互い引かれ合って愛の逃避行。
そして生まれたあたし。
半妖人。
そしてこの国でもっとも嫌われる緑の瞳。
だから嫌われる。恨まれる。
分かってるよ、そんなことくらい。
あぁ、早く死にたい。
あたしって、なんで生きてるんだろう。
妖怪ってなんで、長生きするんだろう。
精々、あと100年は生きるそうだ。
あぁ、生きる日々に億劫するだけなのに
なんで生きなきゃいけないんだろう。