二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【pksp/pkmn短編集】さよならの恋の唄【リク募集】 ( No.305 )
日時: 2012/07/20 17:48
名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
参照: http://id37.fm-p.jp/336/8710kuma/

<レッド君のぶち切れモード>



ある廃部の部室の中で僕は傷つけられていた。それは、所謂虐めと言う物だった。
男女問わず僕を蹴ったり殴ったりと酷いことをしてきた。
しかし、僕は反撃をしなかった。自分が傷つけられるなら、誰も傷つかないと思ったからだ。
痛みを通り越してもう何も感じなくなっていた。最初は泣いていたがもう涙すら出なくなった。
そんな僕の姿を見て虐め相手は「気持わりぃー」と言ってさらに蹴る。
気持ち悪くたっていい。僕以外の誰かが傷つかないのならば…そんな事どうでもいいよ。
その時、ある男が鋏を持ってきた。何をするのかとボーっ、とみていると髪を鷲掴みされた。
何をされるか分かった。嫌だったけど、抵抗する力もなかった。
髪の毛を切られてしまった。せっかく、伸ばしていたのに…レッドさんに褒められて、手入れも怠ってなかったのに。
もう、褒めてもらえないじゃないか…すっごく毎日キレイにしてたのに…ショートカットに…。
制服もびりびりに破られた。体操服は、嫌だったので鋏を持ってる男の手を勢いよく蹴って鋏を飛ばした。
男は「何すんだよ!」と蹴り返してきた。しかも、鳩尾。めまいが一瞬した。


心の中に怒りがふつふつと湧いてきた。
もう、抵抗してもいいんじゃないか?
少し体に力を入れた。僕の目が緑色に光った。


<あんまり能力使いだってばれないように、なるべく瞳は隠しなさいよ>

…もしかしたら、ブルーさんの約束は守れないかもしれない。
だけど、もう僕は頑張ったからいいですよね?痛みにも耐えましたよ?
黒色から少しずつ緑色に変わっていくような感じがする。



その時だった。
勢いよく扉が開いた。
驚いて目を見開く。
瞳が黒色に戻った。






息を切らしてきてくれたあの人。
大好きなあの人。


「レ、ッド…さ、ん……来て、くれ…た、ん…です、か……?」


掠れた声でレッドさんの名前を呼ぶ。レッドさんは僕を見て一瞬笑った。
僕の方に寄ってきて「大丈夫か?」と言ってくれた。しかし、僕のきられた髪を見て笑顔が凍った。
そして、一瞬で怒りの顔になった。恐かったけど、嬉しかった。
レッドさんは僕を虐めていた人に恐らく、恐怖の笑顔を向けているんだと思う。
レッドさんはいつもそうだ。怒った時は笑顔で怒る。それはそれは恐い笑顔で。



「お前ら」


ビクリ、と虐めっ子の肩が震えた。レッドさんはさらに笑ったような気がした。



「これ、どういう事か分かってやってるよな?」


黒いオーラをレッドさんが放っている。後姿だけなのに、コワイ。だけど、守ってくれている。
嬉しくて涙が出る。同時に、彼に此処までして守ってもらっている自分が情けなかった。


「ごめんな、さい…!」


涙があふれてくる。床に水たまりができるんじゃないか。ってくらい泣いてしまっている。



「イエロー。遅くなってごめんな?俺が絶対…守ってみせる。
 …なぁ、人の所有物に手を出していいと思ってるのか?
 百倍返し以上しないといけないよなぁ?イエロー、女の子なのにこんなボロボロにして。
 女だからって容赦しないよ?君達も容赦しなかったんだから。正当防衛。イエローが動けないから俺が代わりにやってやる」



はッ、と息をのんだ。
レッドさんから、赤い光が放たれた。
普通なら、瞳からだけな筈なのに…。
全身から放たれていたのだ。



「お前ら全員、死ねよ」



レッドさんの手から壮大な炎が上がった。
いじめっ子は全員病院送りとなった。



「イエロー。大丈夫か?」

優しく微笑んだ彼の手に頬を撫でられて僕はさらに涙を流した。


「はい…!!」



その後、グリーンさんとブルーさんも来た。髪の毛を見て二人は絶句していた。そして黒いオーラを出した。
訳を言ったら更にオーラを黒くして「いじめっ子をボロボロにしてくる」と言って二人とも闇へと消えた。
いじめっ子は「全治は早くて五カ月です」と言われていた。…どれだけボロボロにしたのだろうか?



〜その後〜



「そりゃあ、大変じゃったのぅ。虐めっこ達は退学にしておこう」

「ありがとう、おじいちゃん…いえ、学園長」

「二人の時くらいはおじいちゃんでいいんじゃよ」

「いや、二人じゃないから」

「?」


グリーンはクローゼットの扉を勢いよく開けた。レッドとブルーはともかく、イエローまで入っていた。
グリーンは呆れて溜息を吐いた。オーキド学園長は快活そうに笑った。そしてイエローを見た。


「大丈夫じゃったか??」

「はい。皆さんが助けてくれたおかげです」

「…髪の毛は、残念じゃったのぅ」

「…はい」


少しさみしそうな顔をしたイエロ—にレッドは笑いかけた。イエローはその顔を見て少し安堵する。

「イエローは、可愛いからショートも似合ってると思うけど?だから、少しずつ伸ばしていけばいいと思うよ」

「はい!」


イエロ—は笑顔になった。
ブルーもグリーンも安心したかのように少し笑った。




「これから、あんまり一人で行動するなよ?」

「できるだけ…努力します」

「駄目。絶対」

「ふぇ〜?!そ、そんなぁ」

「くすくす。レッド、すっごい心配してたのよ?」

「当たり前じゃん」

「俺が「もしかしたら廃部の部室かもしr」って言った瞬間に行ったからな…イエコンめ」

「イエコンってなんですか?!」

「イエローコンプレックス」

「えぇ?!」

顔を真っ赤になった気がする。恥ずかしい。レッドさんはそんなこと思ってる筈が…!


「ま、俺達はお前を守りたいんだ」


「大切な後輩だからね」


「そして…」


「「「大事な仲間だから」」」



その言葉にまた涙が出る。



「はいッ!!」


僕は元気よく返事をした。