二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【pksp/pkmn短編集】さよならの恋の唄【リク募集】 ( No.347 )
- 日時: 2012/08/31 17:30
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
- 参照: http://id37.fm-p.jp/336/8710kuma/
1.誕生日になった瞬間の電話、窓の外にいる彼
「…みんな、酷いなぁ」
自分の家。否、自分とイエローの家で僕はふてくされながらお菓子をむさぼっていた。
みんな、僕の誕生日じゃなくてイエローの誕生日を祝っているのだ。
仕方がないと思う。だけど、悲しいじゃん。
いやぁー…その前に、僕が家に閉じこもってるから悪いんだけど。
いや、好きで閉じこもってるわけじゃないんだよ。
……女の子の都合ってやつですよ。誕生日に。
「うわーん。暇だよぉー」
枕に顔を押しこむ。苦しい。
…みんなで、パーティーしたかった。お腹痛い。
布団にくるまってたら、眠くなってきた。
実質、誕生日まであと10分ある…。
もう、夜中だ。レッドさん達は準備進んでるかなぁ〜…。
眠たくてうとうとした。
そして眠りに落ちた—…。
と思った10分後。
いきなり携帯が鳴った。
驚いて飛び起きると
着信:グリーン
とでていた。
ちょっと嬉しくて「なに?!」と大声で言ってしまった。
そしたら案の定、「煩い」と言われた。
それでも嬉しかった。
「誕生日、おめでとう」
「ッ!ありがとう!!」
ふと、疑問に思った。
パーティー会場にいるなら…もっと煩い筈だと思ったからだ。
「グリーン、何処にいるの?」
「窓の外」
「へ??」
しゃ、とカーテンを開けて窓を見ると茶色のつんつん頭が見えた。
窓の外、ってそう言う事だったんだ—…。
「三月だが、まだ寒いな」
ずっと外にいたのかな…?
僕は急いで階段を降りて扉を開けた。
すると、ちょっと離れたところにグリーンの姿が。
「…インターホンでも鳴らしてよ」
「…驚かせたかったんだ」
そう言うグリーンに笑みがこぼれ、僕は笑った。
「部屋、入っていいよ!
イエローの部屋にさえ入らなければ(笑)」
「人の部屋に勝手に入るかよ」
「ブルーお姉ちゃんだったらやるだろうなぁ〜。
ほら、寒いでしょ!コーヒー入れるから!!」
グリーンの背中を押して、無理矢理家に押し込む。
どたばた、と駆けまわってる僕に対して、
グリーンは落ちついた様子で靴を揃えて、居間に上がった。
「コーヒーに砂糖は入れないよね〜。
グリーン、甘いの嫌いだし」
そう言って、僕はグリーンにコーヒーを出した。
そして、眠気予防に作った自分用のコーヒー(同じくブラック)を一気飲みする。
「にっがーい!!」
涙目で口直しに水を飲んだ。
ふと、後ろを向くとグリーンに笑われてた。
「酷いよ!」
「くっ…、お、お前ってやっぱり、馬鹿だよな」
「なっ?!」
誕生日に馬鹿って言われた。誕生日に※大事なことなので二回言いました。
「グリーンの馬鹿ぁー!」
近くにあったクッションを投げる。
が、片手でキャッチされてしまった(思いっきり掴んでるからグシャグシャになってる…)。
「僕のクッションがーぁー。グリーン!弁償しろ!315円のクッションの恨みは大きいぞ!」
「え、安っ」
逆に驚かれた。
ちょ、値段聞いたからってさー…更にグシャグシャにしないでよぉー………。
そう思った時だった。
「オレンジ」
「ん?なn−…」
目の前にいきなり飛んできた黒い物体。
おでこに当たって床に落ちた。
「痛いじゃん!投げないでよ!!」
また涙目になる。酷いなぁ。
「何?これー…」
「誕生日プレゼント。くれって言ってただろ」
「あー…確か」
そう思いながら箱(なんか、高そう)を開ける。
そうすると出てきた綺麗な宝石のペンダント。
宝石は多分…アクアマリン?三月の誕生石だった気がする。
「これって…アクアマリン?」
「あぁ」
「綺麗ー…って、高くない?!」
驚いて落としそうになった。
まぁ、落とせないけど。高そうだから。
「誕生日なんだから、そんな現実味のあることは気にしなくていい」
「ぼ、僕はグリーンの誕生日にこんな高価なものあげれないよ…?」
なんか、今日はもう泣きそう。
「別に要らない。
俺はこれが、お前に似合いそうだと思っただけだ」
しれっ、と照れくさい事を言うグリーン。
そんなグリーンだからこそ、僕は一緒にいて嬉しいし、楽しい。
「グリーンって、女ったらしだね」
「ぶっ!!」
コーヒーを吹きそうになったグリーンを見て爆笑する。
そしたら、頭を叩かれた。痛いって。
「グリーン」
「ん?」
「ありがとう」
「…どういたしまして」
そしてそっと僕の頭に触れるキミの手は
温かくて優しかった。