二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【pksp/pkmn短編集】さよならの恋の唄【リク募集】 ( No.348 )
- 日時: 2012/08/31 17:57
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
- 参照: http://id37.fm-p.jp/336/8710kuma/
2.突然の雨に濡れ、彼の家に寄ることに
次期は梅雨時。
だけど、あんまり雨は降っていなかった。
だからー…気を抜いていた。
さっきまで晴れていた。
だけど、どんどん天気が悪くなって…次第に大雨だ。
「止むだろう」と思ってたけど…全然止まなかった。
寧ろ、雨は強くなってきた。傘を持ってこなかった僕は馬鹿だと思う。
イエローに入れて、と頼んだらレッドさんと言う先客がいた。
くそっ、とレッドさんに向かって言ったら「ひどっ?!」と言われた。
そうして僕は靴箱の前でぼーっ、と突っ立っている。
少しずつ減っていく生徒の人数。
傘を持ってきてない人も走って帰ってる。
仕方がない。と思って一歩踏み出した時だった。
ちょっとの段差に思いっきり滑ってこけたのだ。
すってん
ごん☆
「いっつ…」
あたまを思いっきり打った。
あたたたたー…。
「…そこで何してるんだ?」
頭上から降り注ぐ声。
そこにいたのは、傘を持ったグリーンー…。
「グ、グリーン!傘に入れて!」
「お、おぅ」
いきなり起き上がってそう言ったら、驚かれた。
仕方ないだろうけど。
びしょぬれの人がいたら驚くよね。うん。
「てか、タオル忘れた—…くしゅん!」
絶対風邪ひくじゃん。
涙目になりながらそう思った。
「…オレンジ」
「何?」
「来い。お前、自分の家付く前に風邪ひくぞ」
「え??」
そう言われながら傘を持った手の反対側に僕の手をしっかりと結んで帰った。
ー恥ずかしいじゃん。
「ただいま」
「おかえりー…あら?グリーン。オレンジちゃん連れてきて〜。彼女かしら???」
綺麗な髪の美人さんで有名なナナミ先生(保健室の先生なんだよ!)が僕を見てそう言った。
か、彼女なんて!滅相も!!
「違う。姉さん、貸せるような服あるか?」
「Tシャツくらいなら大丈夫よ」
「貸してやってほしいんだが…」
「いいわよ。準備してくるわね」
「あ、ありがとうございましゅ!」
…場のムードを壊した。
グリーンはこらえながら笑ってるし、
ナナミ先生には「あらあら」と笑って言われた。
「噛んだ—!」
「いいから風呂はいってこいよ」
「人生の汚点だ。あんな美しい人の前で噛むなんて」
「知るかよ」
そう言ってると、ナナミ先生が僕にTシャツを持って戻ってきた。
ふと、目につく紙袋。
「???」
渡されたけど、ここで見たら駄目なものだろう…と思って
「ありがとうございます!」だけ行ってグリーンに教えてもらった風呂場へ向かう。
そして、お風呂を上がって紙袋をあけると、中身が分かった。
ナナミ先生。なんて優しいんだ—…!!
「ありがとうございましたーあったかかったですー」
お風呂って、最高。
そう思いながらオーキド家の居間に向かう。
そして見た、ある人物。
その人は
「理事長!!」
「おぉ、オレンジじゃないか!」
ソファーでふんぞり返って—…。
確か、理事長室でもそうだったような。
「お風呂、お借りしました—」
そう言うと、ナナミ先生が「グリーン、部屋にいるわよ〜」とだけ言った。
それに「ありがとうございます〜」と告げて僕はグリーンの部屋に向かう。
うーん。久しぶりにグリーンの部屋をはいる気がする。
何時ぶりだろう?
こんこん。
扉をノックしてみる。一応。
「グリーン。入っていい—?入るよ〜?入った—」
「おぃ。人の返事くらい聞けよ」
「いいじゃん!それにしてもー殺風景だねー。
黒と白系ばっかり。かっこいいねー」
「煩い…」
懐かしい。
そう言えば、全然…お互いの家に行ってなかったなぁ。
ふと、友達としゃべってた会話を思い出す。
(この年になると、幼馴染の部屋にも入るづらいのよね〜)
(そうなの???)
(うん。てか、入れてくれないのよね〜)
(…そうなんだー。なんか、寂しいね)
(べ、別に寂しくはないわよ)
こう言う事なのかな?
なんか、やっぱり寂しい。
あの誕生日の日以来、グリーンが家に来ることは当たり前と言えるけど、ない。
「寂しいなぁ〜…」
「部屋の文句を何時までも言ってるな」
「違うよ。部屋の事は関係ない!!」
寂しいと感じてしまうのは
きっと僕が変わってしまったからなんだと思う。
(なんて儚い物語なんだろう)