二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【pksp/pkmn短編集】さよならの恋の唄【リク募集】 ( No.362 )
- 日時: 2012/09/13 21:19
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: sC1Xeyy3)
- 参照: http://id37.fm-p.jp/336/8710kuma/
4.予想外のお見舞いに、慌てて寝たふりをした
季節も変わり、秋になった。
少しずつ、涼しくなっていく事にはしゃいでいたら、
風邪をひいた。
可笑しいな。
馬鹿は風邪ひかないって言うのに。
僕は十分、風邪をひいてるじゃないか。
ん?熱か。熱だったら、馬鹿でもおきるね。
自分のことを『馬鹿』と罵りながら
僕は熱とけtt…闘っていた。
「オレンジ、大丈夫ー…?
薬、買ってくるから待っててね」
「ありがとぅー…」
イエローは、優しい。
ワタル以外には、だけど。
「何かあったら、電話してね?」と言ってイエローは出て行った。
うーん。話し相手がいなくて暇だ。
イエローが帰ってくるまで、ゲームでもしておくか。
そう思って、机の上に置いてあるゲームを取ろうとした
ぴんぽーん。
「ん?誰だろう…宅配便とかかな?
ドアを開けるのも面倒くさいし〜ま、いっか」
ゲームをする事を再開しようとしたら
「…オレンジ、いるか?」
ドアの方から、聞き覚えのある声が。
嬉しくて、びっくりして、心臓が跳ねた音が聞こえた錯覚に陥った。
「イエローに、用を頼まれたから大丈夫だろう」
そして、ドアの開けられる音。
驚きすぎて、ゲームの電源をぶちぎって
布団にもぐりこんだ。
(寝たフリしちぇ…!)
「オレンジいるかー…?」
そう言うと、僕が寝ているリビングのドアを開けた。
僕は、寝たフリを決定した。
「オレンジ、寝てるか…?
仕方ないか。薬、此処においとけば分かるだろう…」
薬?
イエローの用?
一体、何なんだろう?
「と言うか、買い物に行った後にブルーとの約束を思い出すのもどうかと思うが…」
そうだったんだ。
ごめんね、イエロー。僕が風邪ひいたばっかりに。
「ホント、馬鹿だよな」
それでも、僕の大切な妹だよ。
「お前って」
…え?僕??
寝てるのに話しかけるんだ…面白い!
僕は、布団をかぶりながらそんな事を考えていた。
でも、寝たフリって、暇だし…い、息が苦しい…。
「寝たフリなんかして、騙せてるとでも思ってるんだろうかな」
…寝た、フリ?
あれぇ??もしかして、僕が寝たフリしてたのばれてたの??
うーん。このまま、寝たフリしててもヤバいかな??
でも…今起きたら、ずっと喋っちゃいそうだし。
………風邪、うつったら嫌だし。
「ま、明日には治るだろうな。ちょっとしか熱ないし。
じゃあな、オレンジ」
行っちゃう…!
せ、せめて一言ぐらい………!
ドアを開けて、すぐに出ていこうとしたグリーン。
僕は、その瞬間に布団から出て、声を出す。
「あ、ありがとうね!」
そう叫ぶと
「お前の好きな飴、袋の中に入ってる」
それだけ告げると、ドアを閉めて帰った—…。
「…グリーンの、女ったらし」
そう呟いて、僕は大好物の飴を食べた。
「…甘い」
校内に広がった味は
甘い甘いストロベリー味。
まるで
今の僕の心音を現すかのように。
「…胸が痛い」
そう呟いても何も起きないけど
何故か、言いたくなった。
(もう、そろそろ冬が来るだろうなぁ)