二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【NEW!!】3Topに拾われた私【40話更新!!!!!!】 ( No.134 )
日時: 2012/04/21 17:59
名前: 基山 ヒカリ ◆TGiN5W4D8c (ID: QAXZEAYj)
参照: 京介に逢えたら死んでもいい。そしてさらに京介を抱きしめられたら最高。

第44話〜盗み聞き〜

今俺がいるのは自室。
ふいに歌いたくなって、ベランダに出た。
部屋の中で歌うと、隣の奴に聞こえるかもしれないし、音がこもって大きく聞こえてキモチワルイ。
唄うときはやっぱり広い場所か、外が一番だよな。
少しひんやりとした空気が気持ちいい。
すぅ、と大きく息を吸う。
誰も居ないベランダに、一人、おれの歌声だけが響く。

何分かうたった後、カラリ、と窓が開く音が聞こえた。
そのあと、茶色い髪が見えたから…今日学校で見た、たしか…ルナってやつだったっけ。
そのあと何も聞こえなかったから、きっと聞いているんだろう。
…まぁいい。
気にせず俺は歌い続ける。
「きれいごとなんか嫌いだ。
うわべだけのものも大嫌い

うわべだけの愛
うわべだけの友情

うわべだけなんだ、なんでも。

きれいごとは嫌い。
きれいごとなんか大嫌い。

「イッショニ」

笑わせないでよ
いつかは裏切るくせに。

「ボクハウラギラナイ」

うそつき
たった今裏ぎったでしょう?
うそつき うそつき うそつき

裏切り うわべ うそつき
そんなことがたくさんある。

そんなのきらい。大嫌い。
この世なんて大嫌いだ。





             嗚呼、死にたい。」
俺の気持ちを表した歌。
俺のお気に入りの歌を一曲歌い終えると、ベランダで聞いていたであろう、人物に声をかける。
まぁ、顔は見ないけどな。

「…知っていますよ、誰かいますよね?」

いつもの敬語口調で問いかける。
やっぱりイメージは大切にしないと、裏切るときに面白くないからな。
どうやら相手は気が付いていないと思っていたらしく、「…っ!?」という感じの少し驚いたような声(声?)が聞こえる。
そして続けてこういった。

「まだ寒いですから、早く部屋に戻った方がいいですよ。」

まぁ、いう事が見つからなかっただけなんだけどな。
流石にこのままの沈黙じゃまずいし。

………寒っ…。
俺も早く部屋に戻んないと、下手すると風邪ひくかもな。
そんな事を思いながら、窓を開けて部屋に入る。

ガラガラ、ピシャン。
部屋の中にも、ベランダにも。
俺が窓を閉めて部屋に入る音だけが響いた。
ふと部屋に入ってから空を見上げると、たくさんの星が輝いていた。
でも、その光は弱弱しく、悲しそうに見える。
…なんだよ、同情かよ?はっ、馬鹿らしい。
星なんかに同情なんかされたって意味ねぇし…。
いや、俺の勘違いか…。
何だか今日は夕飯を食べる気になれなくて、おれはそのままベッドに入り、眠った————。