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第26話〜振り返る〜

お日さま園に戻り、夕食が始まった。
いつもと同じような日常…。
ルナはそれが心から幸せだと実感した。
お母さんが居なくて、とても静かな雰囲気で食べる、
「元」の生活よりも。
もうどうせ、お父さんに会う事は無いと思った。
自分を捨てた。
なのにわざわざ会いに来るなんて、ありえない…。
(忘れよう…。そうだよ、忘れよう！！今は、この生活が一番幸せなのだから…。)
と、寂しい気持ちを紛らわすように、ブンブンと首を勢いよく横に振った。
そうでもしないと、悲しい気持ちに負けて、心の奥に閉じ込めておいた感情があふれ出してしまうような気がしたからだ。
ルナは、いつも明るくふるまっているように見えても、自分の心の奥の奥に苦しい気持ち、悲しい気持ち、そして、寂しい気持ちというのを閉じ込めている。
そんなことはルナも知っていた。
だが
明るくふるまっているルナがそんな事をしているなんてだれも知らない————————————………

はずだ。

夕食を食べ終わり、ルナは自分の部屋へと戻った。
もう春が近づいているとはいえ、とても寒く、キンとした空気が部屋に張りつめていた。
それが一人だと一層寒く感じた。


続く