二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン ------- あの空を染める色 ( No.28 )
日時: 2012/01/09 15:08
名前: ルリ朱雀& (ID: QhGr5xPX)


 【9 説得】


 円「なぁ、その由梨って、どんな子だ?」

 羽「一言で言うと・・・、不思議。」

 円「不思議?どんな風に?」

 羽「ん〜・・・、なんか独り言で独り言じゃない事を言うところかな。」

 円「どういう意味だ。それ?」

 羽「さっきから、疑問が多いな。・・まぁ、何て言うんだろう?・・一般人より耳がいい。」

 円「耳がいいんだな。」

 羽「意味が分かっているか、心配だ。」

 ?「由羽が、饒舌になってる。」

円「!!」

 羽「由梨・・・。」

 円堂が、顔をあげると、目に入ったのは、夜のような黒髪が風になびいていた。

 由梨は、浅葱色の双眸をフット細めると、

 由「珍しい。由羽が饒舌なんて。」

 さっきと似たような事を言った。

 由梨は、木の上に座っていた。その肩に、ゲンを乗せて・・。

 円「あの子が、由梨・・か?」

 羽「うん。」

 円「さっき会ったぞ。」

 羽「うん。聞いた。小豆達から。ていうか、さっき言ったでしょ!」

 円堂と由羽は、コソッとそんな話をすると、また由梨に向いた。

 羽「あの・・、由梨。その・・「説得しに来たんでしょ。」・!!うん。」

 由「・・・由羽、私はまだできないの。やりたく・・ないの。」

 羽「っ、でも!本当は、したいんじゃないの?」

 由「確かに、したいかもしれない。でも、したくない!」

 由「由羽だって、分かってるでしょ!姉さんの事・・。」

 羽「由梨・・。」

 由「やりたくない。やらないのっ!」

 羽「・・・・・っ・・」

 由羽は、助けを求めるように、円堂を見た。

 円堂はその視線を受けると、ニッと笑った。

 円「おぉお〜〜い。」

 由「そんなに声出さなくても、聞こえてる。」

 円「あははっ、ごめん。・・なぁ、サッカーやらないか?」

 由「さっきの話、聞いてなかった?」

 円「聞いてたけど、・・なんて言うかさぁ、お前無理してるんじゃないか?」

 由「?!」

 円「なんかさぁ、さっきサッカー部の事聞いたら、すごい楽しそうな顔してたじゃないか!」

 由「それが、どうしたって言うの!何も、分からないくせに!」

 円「確かにっ、俺はお前と初めて会ったから、よく分からない。でもサッカーがすんごい好きだって事は、分かった!」

 由「っ!!・・・」

 円「なぁ、サッカーして、一緒にエイリア学園を倒そうぜ!なっ!」

 ?『由梨のボールは、本当にまっすぐね。』

 由「っ!・・・もうやだ。・・・・何も知らないくせにっ!」

 由梨は、そう言うと木から飛び降りた。

 円「あっ。」

 由梨の姿は、あっという間に見えなくなった。

 円「いなくなった・・・。」

 羽「・・・・、ごめんなさい。あの子・・、まだひきずってるから、リンさんの事。」

 円「しかたないさ。俺も一応悪いから。」

 羽「・・・・、いったん戻ろう。」