二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ポケモンBW】災厄の魔女〜凍てつく境界を統べる者〜 ( No.11 )
日時: 2011/11/09 08:05
名前: 水瀬燈夜 (ID: XXFhkrGO)  

【Prologue】

「行くなよ……!!」

黒い龍を味方につけた短髪の青年が、1人の少女を呼び止める。その腕には火傷の痕が幾多も付けられていた。その火傷をちらりと見て、少女は口を開く。

「いいえ、私は行かなければならないの。知っているでしょう? あの噂」
「噂……でもあれは!!」
「信じてくれなくても良いの。でも私は、もう貴方には会えない」

後半はどこか冷たさを帯びた言葉で青年を突き放し、少女は1匹の龍の背に乗った。冷気を纏い、己自身を凍らせる氷の龍。青年が連れている黒い龍とは異質な存在。

少女はそのまま振り返ることもなく、その場から飛び立った。行くなよ、と悲しそうな声で叫ぶ青年をその場に残して。


「傍にいれなくて、ごめんなさい」
「力になれなくて、ごめん」

互いに聞くことのない呟きは、

「「また……来世で会おう(会いましょう)」」

1つに重なった。