二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: そこに空があるから [inzm] ( No.144 )
- 日時: 2013/02/11 17:14
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
23話「守った者」
黒い雪はゆうりに当たってはいなかった
「え?」
ゆうりが顔を上げると1人の少女と1人の少年
「…殺らせないって言ってるでしょう?」
「そらっ…鬼道君…」
2人共荒い息遣いで、痛々しい傷を作りながらゆうりの前に居た
「ゆうり、こんなの負けてられないよ?」
そう言いながらそらは崩れ落ちるように座り込んでしまった
「っ…魔力が」
「そら…」
「どうして?どうして?どうして助けるの?どうして守るの?」
リンは不思議そうに聞く
すると鬼道が
「『どうして』?不思議な事を聞くな。答えは簡単だ。“仲間”だかただ」
「仲間?…そう、でもねぇ…その子はアンタ達の事仲間なんて思ってないよ?ねぇ?」
リンはそう言ってゆうりを見る
「…どうして、庇うの?アイツの言う通り。私は、貴方たちを仲間なんて思ってない…
私なんか、いらない人間なのにっ!どうして私なんかを助けるのっ?!!!」
ゆうりが叫ぶ
それを見て楽しそうに笑うリン
「私がいなかったら、お姉ちゃんだって生きてた。私なんかより、凄い人だったのに、私のせいで…
あの時、私が死ねばよかったのにっ!!!!!!!!!」
そう言った直後ゆうりの頬に痛みが走る
「…え…?」
ゆうりがゆっくりと顔を上げると
「〜っ!」
今にも泣きだしそうなそらの顔
「もうそんな事言わないでっ!!!ゆうり…もう二度と言わないで。つぎ言ったら私は許さない
ゆうり…辛いのは分かるよ。だけど、ね?そう思う事はみりあさんの守ったものを否定するんだよ?!!」
「…お姉ちゃんの守った、もの?」
困惑の表情
「みりあさんは命を懸けて貴女を守ったの。貴女は、生きないといけないのよ。1人じゃないから。私達がいるから…」
そう告げるそらは悲しげで
「あは♪涙だねぇ、だけどみぃんな此処で死んじゃうんだから意味ないね」
そう言うとリンは目の前に立つ鬼道に
「≪ダーク・ソード≫!」
黒い刀
「キャハハ♪ばいばーい」
「クっ≪アイス・ソード≫!グアァァァア!!!!」
ギリギリの魔力で作り上げた氷の刀はすぐに折れてしまった
「さぁて、次は」
リンはそらを見る
そらは扇子を構えるがもう魔力はゼロに近い
「じゃあね♪…あれ?」
リンは刀をそらに向けるがそらも負けてない
「魔力がないから何?まだ、殺られるワケにはいかないの!!!!」
「ふーん。面白ーい。じゃあ、これは?」
リンは何も持っていなかった左手に刀を出現させた
「「?!!」」
そらの顔に、ゆうりに驚きの表情が浮かぶ
「じゃあ、おしっまぁい♪」
ぶつかる金属の音
弾かれる刀の音
驚きの顔
「どうして?」