二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: そこに空があるから [inzm] ( No.201 )
- 日時: 2011/12/16 20:32
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
35話「銀色の少女」
森奥深く
「しつこいね〜!そんな男はどうかと思うわよ?」
響く声
銀色のロングヘアを揺らしながら言う
「≪サンダー・ボルト≫!」
少年の声
雷が少年の思う通りに動く
「わっ!危ないなぁ。インランス国王?」
銀色の少女は言う
「お前は何者だ!あいつ等はお前の仲間じゃないのか!?」
インランス国王---円堂が尋ねる
銀色の少女が悩む素振りを見せた後
「仲間…ねぇ?別にそんなんじゃないのよね」
「何?!」
銀色の少女は不適に笑った後に言う
「そうねぇ…仲間じゃないわ。でも…“家族”だったかもね」
他人事にように言う
「?!!なら、どうして!!!」
円堂が声を上げる
「…“家族”って言ってもアンタが思い描くようなモノじゃないわ」
呆れながら言う
「あたし達は…“嘘”の中で育ってきた。そして、役立たずはいらない。そうやって生きてきた」
銀色の少女の声は冷めていた
「…あたしも用事があるんだ、もう行かせてもらうよ?」
「おい!待てっ!!!」
風が強く吹き、止む頃には銀色の少女は消えていた
「…あの声。この間の」
円堂の声だけが森の響いていた
「リンに続いてターナとルーナがやられた…か。もう少し出来る子達だと思っていたのに…」
不自然なほどに冷たい空間で銀色の少女は言う
「『場合によれば、“始末”』とかよく言うわ…。いつもそんな役目はあたし。何を考えているのか」
冷静過ぎる声
「インランスの城に連れて行かれたなら、殺される事は多分ない。だけど…あたし達の事を話されると」
「…そろそろ、あたしの番か」
その声は何処か悲しげに聞こえた
その銀色の少女を何も考えていないような虚ろな瞳で見つめるのは栗色の髪の少女
命ある、人形は語らない
心ない、人間は語らない
銀色の少女の目の前には小さな少年
「…」
あどけない顔で銀色の少女を見る
「いくよ-------------------------------------------------------------------------マコト」
冷たい空間に響く声
憂いを帯びた瞳で見ている未来(あした)は何処にある?
「おねぇちゃんに逢えるの?」
少年の無邪気な声だけがこの空間に温かさを与えていた