二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.233 )
日時: 2011/12/23 11:00
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 42話「姉弟」

「おねぇちゃん…!」
はっきりと聞こえた

かがりは振り返る

そこには、先程は居なかった小さな少年

「…うそ。え…?」
かがりは震え、困惑の表情を浮かべる
すると、少年は静かに笑う

「…僕のコト、忘れちゃった?」
その聞く少年の顔は寂しそうに見えた


「おねぇちゃん」
はっきりと、耳に聞こえ。はっきりと、心に響く



---忘れたコトなんて、なかった

  忘れるバズなかった

 あの時についた“傷”

  忘れるコトなんて、出来るハズなかった
 
 あの頃の“苦しみ”も“悲しみ”も“寂しさ”も“哀しみ”も“淋しさ”も

  忘れるコトなんて、出来るワケない

 弟(マコト)との時間を---


かがりは駆け出す
少年に向かって

「かがり!!」
そらが止めるのも聞かずに



少年の元までたどり着くとそのまま抱きしめた

「忘れたコトなんて、1度もなかった」

少年は無邪気に笑う

「おねぇちゃん…!!」





その光景を見るそらは茫然と立ちすくんでいた
「うそ…かがりの弟は。なのに…どうして、此処にいるの?」








彼方は見つけた。彼女を…
彼女への“想い”だって、あたしは利用する


「さぁ、5年の時を埋めておいで」