二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.263 )
日時: 2011/12/30 08:38
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=ZT23rtCZZeI

 50話「漆黒の幻想」

「器?この子が…真の…」
足元で気絶している少年の見ながらかがりが呟く
「そう…ん〜そうね。あたしは生まれてからずっと、此処で育った。その際にね、上に言われたの」
氷裏は自分の過去を少し語る
「『人を殺せ』ってね。それも…5年前、名前が噂で広がりつつあった少女を…」
「それって」
「そ、貴女“漆黒の蝶”を殺せってね。それであたしは…貴女の元へ行った。なのに…邪魔が入ってね」
カプセルを見つめながら言う
かがりに衝撃が走る

「そう…どこかで聞き覚えがある声だと思っていたの。やっぱり…真を殺したのは」
かがりが拳を握りしめながら言う

「あたしよ…あの時も言ったでしょう?『あたしが殺した』と」
氷裏には表情がなくなっていた

「じゃあ、どうして…それに、どうして関係のないこの子をっ?!!!」
「…あたしを倒したら、教えて上げるよ」
氷裏は言う

その瞬間が始まりだった





響くはぶつかり合う金属音

「≪氷音楽≫!!」
氷が細かく散る
小さくが1つ1つの破壊力は計り知れない
「っ!≪ダーク・レイン≫!」
降り注ぐは闇の雨
全ての苦しみや悲しみを
“イタミ”としてぶつける

2人の戦いは白熱し施設の外へと舞台を移していた


「そろそろ…いいかな?≪ファントム・ハート≫」
氷裏は静かに告げる
「…っ?!」
かがりの動きが止まる

「え…?」
かがりの目の前には1人の少年
「『おねぇちゃん。僕を殺すの?おねぇちゃん…!僕、死にたくないよ』」
少年は言う
「え?…」
「『違うね。おねぇちゃんはもう、僕を殺した。僕は5年も冷たい空間に閉じ込められていた』」
少年は止まらない
「『おねぇちゃんが僕を…殺した。おねぇちゃんが僕を殺した、殺した、殺した!!!』」

コトバの猛攻
その言葉は1文字残らずかがりに突き刺さっている
「…あ゛あ゛…いやぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!違うっ!違うっ!!あたしじゃ…」
かがりが冷静さを失い叫ぶ
「『違わない。おねぇちゃんは僕を殺したんだ。そうやって逃げるの?僕を1人にしたのに』」

そう言う少年の声は段々弱まっていく
「『おねぇちゃんが…僕を、殺っ…』」
黙ってしまった

「ごめんね。そうだよ…アンタを守れなかった。あたしが殺したようなモノだよ…ごめん。ごめんっ」

少年の瞳に映るは『ごめん』と謝り------泣く“姉”

「もう、1人にしない。あたしは…もうアンタの手は離さない」
かがりがそう強く告げると
少年は霧のように消えてしまった

「そんな…あたしの≪ファントム・ハート≫が…。アンタっ!」
氷裏の声が響く

「…これは、あたしが恐れていたコト。あたしの“恐れ”を…」
かがりはそう言い氷裏をにらむ

「そうだよ…っ!これは、アンタの“恐れ”だ。あたしは人の“恐れ”を呼び出す事ができる」
氷裏が言う


「≪絶影≫」
かがりが告げるとかがりの手には黒い、漆黒の巨大鎌が
「アンタを倒す。あたしが…あたしの過去にも、あの子の今までにも…アンタ自身にも、今ここで」
かがりは鎌の先を氷裏に向け叫ぶ





「あたしが“休止符”を打つ!!」