二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.277 )
日時: 2011/12/31 15:15
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 54話「夜の帰還」

闇と化す夜を走る少女と少年

「あら?魔物たち、もう倒されたの?」
そんな声が響く
声の方向を見ると4人を見下ろす様に氷裏がいた
「アンタはっ!…」
そらが氷裏の姿を確認するなり叫ぶ
「あー…聞こえてたかもしれないけど、漆黒の蝶とマコトはこの中よ」
氷裏は自分の立っている施設を指す

「あと、もうあの子≪アクノロキラ≫使えないから」
氷裏はそう言うとにっこり笑って立ち去った
「じゃあね」





4人が施設に入るとちょうどそこから出てくるかがりに会った
「かがりっ!!!」
「あれ?…みんな、来たんだ」
「もう!心配したんだか…ら」
そらが言いかけて止まる
かがりの背中には眠っている少年---マコトの姿があった
「その子は…」
「あたしの弟よ」
かがりはさらりと答える
「あ!かがりちゃん!怪我してるじゃないですか!!」
つららが言う
かがりは至る所から血を流していた
「大丈夫よ、これぐらい」
一番酷かったのは破片を持っていた手だった

かがりがそのまま歩き出そうとすると足を引っ掛けられる
普段のかがりなら平気だが、今はマコトを背負っているうえに怪我をしている
「えっ…わっ」
バランスを崩した瞬間に抱きかかえられる
「な、何すんのよ!あたしは平気だって言ってるでしょ!!」
「いや、僕が納得しない」
少年---アフロディが言う
そして、落ちてきたマコトはギリギリで鬼道がキャッチする
「危ないな」

最終的、そらがかがりを背負いマコトをアフロディが背負っていった
「僕が背負うって言ってるのに」
「アンタだけは嫌。死んでもお断りよ」
「あはは…あ〜かがり、暴れないで」
笑いながらそらが言う

「私達、必要あったかな?」
「なかったな。機械の方はかがりがほとんど調べ終わっていたからな」




セントラル城

「…ごめんなさい」
ラティアに怒られているかがりの姿があった

「本当に、勝手な行動は止してよね。こちらも心配するし、今回は貴女が狙われていたのよ」
ラティアの言う事は正しいため
「…ホントに、ゴメン。迂闊でした。考えも足りませんでした」
かがりは呆気にとられるほどに素直に謝った

「い、いいわ。もう今日は休みなさい!」
「はい…」
かがりは部屋を出る際に

「ラティア。本当にごめん。それから………ありがとね」




「そらぁ〜かがり帰ってきたんだって?」
「そうだよ。今頃、ラティアに怒られてるんじゃないかな?」
「ん〜ラティアも帰ってきたからそこまで怒ってないと思うけどなぁ」







かがりは自分の家に帰る
そこにはすでにそらの手が家に来ていたマコトの姿があった

その姿を見てかがりは微かに笑う

「…おかえり、でいいのかな」