二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.303 )
日時: 2012/01/04 20:44
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 59話「紅の道化師」

静かに風が舞う

「よく戻ってこれたな」
イクトが言う
「…えぇ。どうなるかと思ったわ。まさか、実の姉の殺される“ユメ”だなんて」
澪は言う
「へぇ、お前のユメはそんなのか。アレで目が覚める者は滅多にいない。
 目が覚めても…感情の抜けた“者家の殻”なんだけどな」
イクトは笑う
「そう。でもね、私は道化師(ピエロ)元から感情のない…道化師」
澪はイクトを見て言う
その姿は冬花に見せる様な“子供”ではなく
だからといって、住民に見せる“大人”でもなく


彼女は紅に染まり、落ちた人間----紅の道化師


「さぁ。これからが、本番よ」
澪が鋭くイクトを睨む
「ふぅん。俺の技を破って無事な奴と…楽しそうだ」
イクトは悪戯っ子の様に笑う


「≪氷造形・ローズプラント≫!」
イクトは氷の薔薇で攻撃を仕掛ける
「この程度≪鈴風≫!!!」
澪は風を起こし薔薇を止める
それでも、氷の薔薇はゆっくりと地面を侵食していく

「チッ!≪雷晶≫!」
澪が告げると澪の手元には、緑色の水晶のついたロッド

澪はソレを地面につける
トン、って音をたて、地面につけられると
侵食していた薔薇が砕ける

「っ?!どういうことだっ?!!!」
イクトが慌てる

「≪雷晶≫…雷の水晶。地面から雷をその薔薇に流させてもらったわ」

「なら≪黒麗≫!!!!」
黒い氷の粒が澪を襲う

澪はソレを見てロッドを回す
それでも、交わしきれずいくつかが当たる
だが、澪は引かない
「≪水晶≫!」
澪のロッドにつく水晶の色が水色に変わる

またも、ロッドを地面につめる
トン、っという音が聞こえると地面から水柱が現れる
「≪水流・弦想≫」

「なら!≪氷造形・ランス≫!!」
澪の水柱が全て凍らされた
「っ!!!!水柱が一斉に?!なんて…魔力」
澪がそれに驚いているうちに
侵食を止められていたはずの薔薇が侵食を再開していた

「っ!」
澪が気づいた時は遅かった
氷の薔薇は澪を足元に絡んでいた

「≪雷晶≫…」
澪のロッドの種類が変わったとき、イクトが澪の首元に長剣の先を当てていた

「………」
澪は観念する様にロッドを足元に落とす

ソレをみてイクトは笑う

「チェックメイトってヤツだな」