二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: そこに空があるから [inzm] ( No.326 )
- 日時: 2012/01/14 09:12
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
65話「“ルイ”」
深々と降る雪は段々と心にまで沁みてくる様な冷たさで
「何よ、コレ」
愕然とした表情で白の少年が抱える白の少女を見る水色の少女
白は少年は水色の少女に気が付くと
「そらさんっ!!」
駆け寄ってきた
「ちょっと!吹雪君!…つらら、どうしたの」
水色の少女---そらが聞くと
白の少年---吹雪は
「わからない。さっき、ある子と戦ったんだ。その最中につららちゃんが…」
吹雪は眉を下げて言う
「とにかく!このまま放っておくワケにはいかないわ!此処からならスインルーグの方が近いわ、そっちに」
そらは言う
それに吹雪が頷き、白の少女---つららを抱え走る
「----------不味いわね。外傷は無いわ、だけど…」
そらは視線を吹雪からつららに視線を送る
「この様子は、“心”の闇を捕らえられている」
「------え?」
吹雪は聞き返す
「私は、ラティアに言われて来たの。敵の次の狙いがつららだと分かったからなの」
そらは告げる
「えっ?!それは」
「インランスにいるターナとルーナが思い出した事があったの。それが、つららのコト」
「闇をとらえる能力を持つ、男」
『名前は…たしか----------“ルイ”』
「ルイ。それが、奴の名前」
*
「さぁて、どんなゲームしようかなっ?最近知ったサッカーってヤツ、やってみてぇなぁ」
緋色の少年---ルイは言う
「…氷雪の女神。今頃大変だろうなぁ。心、壊れてんだから」
----- 『…あ、あの。大丈夫ですか?』
そっと近づいて聞いてきた幼い少女の声が脳裏に響く
『ずっと、一緒にいる。彼方には私がいるから』
どんな時も一緒に居てくれた少女の声が今も胸に突き刺さる -----
「これで、いいんだよな?」
暗い空間に寂しげな声が響く
*
「心が死んでる…今のつららは」
はっきりとそらが口にした言葉
「それじゃ、つららちゃんは?!」
「ルイを倒すか、あるいは…つらら自身が、目覚めるか」
*
『ずっと、此処にいる。此処には、誰も入ってこれない…私は、ずっと記憶(ここ)にいる』