二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.33 )
日時: 2013/02/11 16:27
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 5話「白い少年と少女」

風が吹いた
少しばかし冷たい風
「この方向は北…か。今日あたり彼等が来るから…(でも、胸騒ぎがする)」
紫色の髪を縛らずに風に遊ばせていた少女は呟いた

「かがり、此処にいたのね。朝食出来たけど?」
「今いくわ」
そう言いその場を離れようとした時冷たく強い風が吹いた
「わっ!今の風…何?空も…いつもと違う」
「そら?どうしたの?」
かがりがそらに聞く
「え?なんでもないわ」
かがりがそれを聞くとその場を離れる
「…空は澄んでる。だけど、今の風も、今日の空も………嫌な感じがする」




「ハァハァ、もうすぐセントラルだよ!」
「………」
「急がないとっ!」





セントラルにある城の最上階
「…なんなのよ」
この大陸では“心”と“力”があれば性別も年齢も何も関係無しに決まる制度で
セントラルの姫として国を治めているラティアは不機嫌だった
「何、怒ってるの?ラティア」
「…怒ってないわよ。ただ、今日は朝から…嫌な予感がするのよ」
それを聞いたラティアの双子の姉ティアラは
「へぇ。まぁ、気にしてもしょーがないよ!それに今日はスインルーグからあの2人が来るんだし♪」



雲行きが怪しくなってきた頃そらとかがりはセントラル北口にいた
「おっそーい!」
「もうすぐでしょ?時間的にも」

「ねぇ。かがり、私嫌な感じがずっとしてるの。『何かある』そんな気がする。今日の風は、空はいつもと違う」
そらが小さい声で言うと
「それはあたしも。まぁ、当てにならないけど」
そんな話をしていると遠くから足音が聞こえた
“歩いている”足音ではない。“走っている足音”
「来た?…っ!!!」
そらとかがりが目を見開き走る

その場に走ってきたのは白い少年と少女
「吹雪っ!何があったの?」
かがりが聞く
2人が慌てたのは吹雪の背中に白い少女----優樹つららが背負われていたからだ
「つらら?!」
そらが話しかけるとつららは微かにに反応する
「此処に来る途中に魔物に襲われたんだ!」
城に向かいながら吹雪が説明する
だがかがりは言う
「?でもアンタ達が使う道に魔物はいない。いたとしても弱いのでしょ!」
吹雪が困惑の表情を見せる
「…それが-------------」
吹雪は話そうとするとそらが
「着いたわ!取りあえず、医務室に!!」


「ラティア、至急第二医務室に来て。スインルーグからの使者がk((ガチャッ」
かがりは医務室の電話で最上階にいるラティアに連絡をとっていた
「かがりー!ラティアは?」
そらが叫ぶ
「連絡はいれた、すぐに来るわ」


医務室のベッドにつららは寝かされていた
取りあえず、そらとかがりが応急処置をする
だが、つららの左足は痛々しい傷跡があった

「何、これ…?毒?」
そらが聞く
「多分」
吹雪が言った時、勢いよく扉が開いた
「ラティア!!こっち、お願い!」
そらが言う
ラティアは頷きつららのいる方へ行く


「…つららちゃん」
吹雪が心配の色の見える顔をしていた
「ラティアに任せれば大丈夫よ、悪くても三日よ。あの程度なら…」