二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.335 )
日時: 2012/01/19 19:43
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 67話「儚く」

----- どうして 
  ねぇ どうして?
   このまま記憶(ここ)にいたらダメなの?
  

幼き私は言うの
 「どうして?私は…みんなと一緒にいたいの。それだけなの。なのに…」
寂しい表情で言うの

『…帰りたかった。みんな居た頃に、帰りたかったのに』

      帰ってくるはずの幸せは、冷たい氷の中に封じ込まれたまま -----




「そらさん。つららちゃんは」
不安そうな表情で吹雪は聞く
「…今は安定してる。だけど、多分まだ…つららの心は不安定なままだと思う」
そらは悔やむ様に言う

「後はやっぱり、つらら自身がどうにかするしかない」





「ん〜やっぱり、サッカーやってみてぇな」
呟く様にルイは言う

「でも、あいつ等きっとやんねぇからなぁ」

ボールを蹴りながら言う

「あ、そうだ!!国全体を人質にとってみるか?」


----- 『ねぇ、彼方にはこの世界、どう映っているの?』
  儚く微笑みながら少女は言う
   淡い記憶の中の少女は笑う。笑う
  どこから…変わってしまったんだ?
『ごめんね。約束…守れそうにないよ。ごめんね』
  最後に見た少女の顔は酷いくらい悲しげで、それでも笑っていて -----













静かに雪が降りそそぐ空間で1人の少年は笑う

「ここからが本番だ。運命を決めるは…このボール、ってか?」
無邪気な程の笑顔で
恐ろしくなる程の笑顔で

緋色の髪が雪風に揺れる