二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.35 )
日時: 2013/02/11 16:30
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 6話「氷の使者」

ラティアはつららの左足の傷口に手のひらを近づけた
すると、淡く優しげな光が傷を癒していく

「…これで大丈夫。しばらくは安静にしておく事ね」
ラティアは静かにそう告げる
「よ、良かった…!ラティア姫、ありがとう」
吹雪はそう言う
「…で、何故こうなったの、か。聞きたいところだけど、それはつららが目を覚ませてからでいいわ」
ラティアはそう言うと医務室を出て行った
「吹雪、アンタはつららに就いてな」
かがりはラティアの後を追って出て行った
そんな2人と入れ替わるように
「つらら、大丈夫なのー!!!!?」
ティアラが来た
「ティアラ、大丈夫よ。ラティアが見て行ったから」
そらは言う




様々な医薬品などが置かれている部屋に2人の少女

「ねぇ〜つららはまだ起きないの?」
ティアラがクレープを食べながら聞く
「…さぁ。分からないわ」
そらは何かをいじりながら言う
「…ん?そらは何してるの?」
「毒を調べてるわ。どういうモノなのかが分かればこれからの役に立つかもしれないから」





「ラティア。吹雪達がセントラルに来るために使う道に魔物はいないはず、なのに襲われた…どう思う?」
「…貴女は私が何と言うか分かっているのでは?」
ラティアは自分の考えを言わない
「はぁー。セントラルに今居る魔術師の中で強いのを現場に行かせて調査させる」
かがりが言うと
「えぇ。分かっているじゃない。詳しくはつららが目を覚まして、2人から話を聞かないとね」




第二医務室
「…つららちゃん…僕のせいだ」
2人しかいない医務室で吹雪は小さく呟く
その目には後悔や悲しみが浮かんでいる

「…どうして、泣いてるの?」

小さい声。弱いが、芯の強い声
その声に反応し、吹雪は下を見る
そこには弱ってはいるが強い瞳で吹雪を見つめているつららだった

「つ、つららちゃん…!」
吹雪は驚きや心配を隠せない
「…もう、男の子でしょう?泣かないの」
それは優しく、温かさのこもった言葉
つららは吹雪の涙をぬぐいながら言う
「これは、誰のせいでもない…の。だから、士郎は、自分を責めちゃダメ」
つららは微笑む
「…うん」
返事をした吹雪の顔は澄んでいた