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　７２話「罪人」

忘れない。あの時の君の顔を-------------------　

　「僕は罪人だ」

少年は言う
　
　「僕は…もう戻れない。戻ることはできない。僕は-------“ゼレフ”に選ばれた」



『こわい…怖い恐いコワイ…』

恐怖に歪んだ顔で泣きながらそう訴える君を見た

　僕が、君を傷つけた





　「僕は…俺は。今、また世界を終わりへと導く…“終わりの巫女”と闇の帝王“ゼレフ”の力で」



-----　ずっと知っていた
初めて彼方に会った時から、あたしの目の前のいる貴方は本当の彼方でない事ぐらい

貴方がしようとしている事が間違っている事ぐらい知っていた
だけど、それを『間違っている』とは言えなくて
だから…あたしは、彼方について行く

あたしを見つけてくれたのは彼方だから…
　
　“孤独”のあたしを見てくれたのは彼方だから

それが貴方の目的であって野望を叶えるためだけ分かっていても


　　　　でも、本当にあたしはソレでいいの？-----



「再び世界は終わりへと行く。千年前のように。否、千年前とは違う。確実に終わりへ」


紅色の瞳はソレを見る





「冥界の死者よ。今…蘇ろ、全ての恨み、憎しみ、羨みを果たすために」

黒い笑みを見せ少年は唱える




「≪冥界ノ扉≫」