二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.388 )
日時: 2012/04/05 20:16
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 80話「炎の天使姫」

一時、和やかな雰囲気になるがすぐに緊張感に包まれる

「へぇ〜一国のお姫様がわざわざ?普段守られているだけのお姫様が?」
挑発するようにアンが言う
「うるさい。黙れ…私の大切なもの、沢山壊してくれて…お礼はちゃんとするから」
ティアラが冷静に言う
「…できるの?お姫様に」
アンが言うと同時にティアラは動く
「えっ?!ど、どこ?」
「ここだよ?」
ティアラはアンの後ろにいた
「そんなっ!!速い!」

ティアラは小さく笑う


「≪天使ノ涙≫」

空から光の雨が降る

「な、なによ!驚かせて。こんな光ごとき…あれ?」
アンが言う
「動けないでしょ?その光の雨に触れるとね、私が認めたもの以外は動けなくなるんだよ」
「(どうすれば…ん?手は動く。なら)」

アンは言う
「お姫様の噂。本当だったのね、てっきりお飾りだと思ってた」
「クス♪余談はこれで終わり」


「終わるのどっちかな?」
アンは言う
「---え?」
ティアラが言うと
アンは動く手を動かし掌(てのひら)を美月、リオンに向ける

「まさかっ!!」
ティアラが気付きその方向に向かうには少し遅かった


「っ!!!」
リオンがそれに気づくが、普段治癒魔法しか使わない彼女がこの状況をどうにかできるわけもなく
「キャアっ!美月さん!!!」
美月がリオンを押しのけリオンを庇うように立つ
美月の左足は悲鳴を上げている。だがそれもお構いなしに左足を使う


「アンタは守れなかった!それで終わりだぁ!!!キヤハハハハハハ!!!」
アンが放つは≪ブラッティ・クロス≫




「≪海底撈月≫」


美月は静かにそう唱える

唱える美月の表情は穏やかで澄み切っていた


「っ!美月ィィィ!!!!」
ティアラが叫ぶ


≪ブラッティ・クロス≫をもろに受けた美月は倒れる

「み、美月さん!美月さん!」
リオンがすぐに駆け寄る

「美月、美月…」
ティアラがその場から呼びかける
「ちょっと!美月、私まだ…作ってもらってないよ、クレープ。約束したでしょ!!」

「……………」

それでも美月は反応しない

「そんな」
リオンの手が震える

ティアラは涙目になる

「キャハハハハハハ。死んじゃった?」
アンが笑う


だが、声が響く
























「---------------------------誰が、死んだって?」




「美月!」
「美月さん」
ティアラとリオンが美月を見る

荒い息だが確かに目を開けている
「勝手に殺さないでよ」


「まだ、ティアラ姫との約束があるし…それにラティア姫の作るミルフィーユ、食べてないもん」


今できる精一杯の笑顔で言う

「まだ、死ねない」

≪海底撈月≫それは海に映る月をすくい取るという有り得ない事を可能にする技
それを使い≪ブラッティ・クロス≫の威力をできる限り削ったのだ



「美月…うん!」
ティアラは頷くとアンを見据える


「もう、許さない。美月は、もう戦えないのに!」
「戦えるか、戦えないかが問題じゃないのよ…。倒すか、倒されるかが問題なのよ!」




「キャ!!!なっ」
アンは蹴りを入れられる
「速い。さっより…」
「許さないって言ったでしょう」



「≪天使ノ狂想曲≫」
自由で一定の定期が存在しない音と羽

それバラバラな方向からまるでリズムを刻むかのようにアンにぶつかる


「魔力、切れ…もう。無理」
アンは下へと落ちる




「≪ゼロエナジー≫ばれなくて良かった」
美月は小さく言う

「≪天使ノ戒≫」
ティアラが言うと鎖が出てきてアンを縛り上げる
「よし、終わり!美月、ありがとう。アイツの吸い取ってくれてたんでしょう?」
「あ、ばれてました?」
美月が笑う
「全部、吸い取ることはできないけど。多少なら…」
「美月さん?」
リオンが言う

「ティアラ姫。今回はすみません…一国の姫である貴女を、戦わせてしまって。私は守る立場なのに」
美月が言う
「なに言ってるの?」
「え?」
「関係ないよ。友達を助けるのに立場とかそういうの、関係ない!はい!!この話はおしまい♪」
ティアラが言いきる

「ありがとうございます」
美月が目に涙をためて言うのだった