二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: そこに空があるから [inzm] ( No.398 )
- 日時: 2013/03/10 21:45
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
82話「帝王」
セントラル城、地下に響くは不気味な笑い声
「キャハハハハハハハハハ。もう遅い」
アンはそう笑う
「どういう意味かしら?」
顔をかなり引きつらせたかがりが聞く
「…あのお方はちゃくちゃくと準備を進めている。貴様らがどう足掻こうと無駄なこと」
「“あのお方”それは、誰」
かがりが聞くと
「闇の帝王“ゼレフ”にあのお方は選ばれたの。世界はまた…破滅へと行くわ。キャハハハハハ」
「闇の…帝、王」
美月が呟く
「何もできはしない。アンタ達は何もできずに、破滅の時を待つの…キャハハハハ!!!」
「なんなのよ…その帝王に選ばれた奴は何処にいるの」
「キャハハハ…アンタたちに言うわけない。言ったところで何もできない…」
「止める方法を知らないアンタ達には--------------ね?」
「キャハハハハハハハハハハ♪」
「…っ!ア、あ゛」
アンの様子が一遍した
「なに…」
「《これ以上は、聞いても無駄だ。こやつの記憶は俺が持っていく》」
「アンタはっ?!…アンじゃ、ない?」
「(落ち着け。アンじゃない…それは確かよ。誰かがアンの身体を遠距離で乗っ取っている…そんなの出来るのは----)」
「まさか…帝王、ゼレフ…?」
かがりが愕然とした表情で言うと
「《おぉ。小娘…よく分かったな…。千年の時は流れた。そして、現在(いま)俺はまた、世界を壊す》」
「《じゃあな--------------------------------------------------------“巡礼者”》」
最後の言葉は小さく、かがりは聞き取ることができなかった
「(巡礼者?誰が…でも、それって------?)」
残るはぐったりと気絶した女
「もし、今のが本当なら…アンの記憶は?」
かがりが言う
「いつからの記憶…5年前からの?それとも全ての」
美月が言う
「ゼレフ…昔、聞いたことがある。遠距離で人の身体を乗っ取る事ができると」
*
「アンの記憶が、消えた」
「…そう。もうアンは私たちの事、覚えてないんだ」
「俺たちは、どうする?いつまで…此処にいる」
逃れられない闇は戒めとなる