二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: そこに空があるから [inzm] ( No.414 )
- 日時: 2012/04/28 10:10
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
85話「記憶を探しに」
「ラティア姫〜」
ミルフィーユを食べながら美月がラティアを呼ぶ
「どうしたの?」
ラティアがそう言うと
「あのですね!なんでも石版、解読できそうらしいです!!」
「そうなの?なら良かったわ。でも、どうして突然…」
ラティアが疑問を述べる
それを聞いては美月は答える
「…リオンですよ」
それだけを言う
「リオンが…何か関係しているの」
「リオンは、あの石版を1度見たことがあるらしいです。でも実物ではないと。おそらく古代の文書ではないかと」
「今、ティアラ姫たちが」
*
「…リオンの5年前か」
小さく呟く声
「私の知らない、5年前までのリオン…。それに、なにがあったのかな」
寂しそうな声
*
「…思い、出せません。何度、思い出そうとしても…先がわからない」
リオンが言う
「無理に、思い出そうとしなくていい。無理にしても、思い出せないモノは思い出せない」
かがりは言う。だがその表情は少しがっかりしたものだった
「…どうする?なんなら、あたしがリオンの記憶を見るけど」
澪が遠慮がちに言う
それに答えたのはリオンではなかった
「ダメ!それはダメッ!!」
「ティアラ、どうしたの…急に」
そらが驚いた様に言う
「リオンの記憶だから。他の人が勝手に知っていいモノじゃないよ」
「ティアラ…」
そらは微笑み言う
「なら、リオン。貴女の記憶を探しに行きましょう」
「え---------------?」
リオンは困惑する
「記憶って曖昧なの。何かの拍子にフッと思い出したりね。だから…貴女の育った場所、貴女に関係する場所へ」
「行こう!!!リオン!私も行くから!」
そらよりもティアラが先に言う
「私の…育った場所」
リオンは目を伏せる
「もしかしたら、そこでリオンの見たという文書もあるかもな」
鬼道は賛成するように言う
「ね?大丈夫。誰もリオンの過去を知りに行くんじゃない。リオン…大丈夫だから、私と行こ」
ティアラはそう言いリオンに手を差し伸べる
--- 過去を知りに行くんじゃない?
記憶を探りに行く?
私に手を差し伸べてくれる人
今まで、この人に助けてもらってばかりだよ…
今まで、この人の“光”に助けられた
私は独りじゃない。今は…今だけは
なら、きっと向き合うのは…現在(いま) ---
リオンは震える手を伸ばす
「よし!決まり!!」
明るく楽しそうな声が響き渡る