二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.414 )
日時: 2012/04/28 10:10
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 85話「記憶を探しに」

「ラティア姫〜」
ミルフィーユを食べながら美月がラティアを呼ぶ

「どうしたの?」
ラティアがそう言うと
「あのですね!なんでも石版、解読できそうらしいです!!」
「そうなの?なら良かったわ。でも、どうして突然…」
ラティアが疑問を述べる
それを聞いては美月は答える
「…リオンですよ」
それだけを言う

「リオンが…何か関係しているの」
「リオンは、あの石版を1度見たことがあるらしいです。でも実物ではないと。おそらく古代の文書ではないかと」




「今、ティアラ姫たちが」





「…リオンの5年前か」
小さく呟く声

「私の知らない、5年前までのリオン…。それに、なにがあったのかな」
寂しそうな声





「…思い、出せません。何度、思い出そうとしても…先がわからない」
リオンが言う

「無理に、思い出そうとしなくていい。無理にしても、思い出せないモノは思い出せない」
かがりは言う。だがその表情は少しがっかりしたものだった
「…どうする?なんなら、あたしがリオンの記憶を見るけど」
澪が遠慮がちに言う
それに答えたのはリオンではなかった

「ダメ!それはダメッ!!」
「ティアラ、どうしたの…急に」
そらが驚いた様に言う



「リオンの記憶だから。他の人が勝手に知っていいモノじゃないよ」


「ティアラ…」
そらは微笑み言う

「なら、リオン。貴女の記憶を探しに行きましょう」

「え---------------?」
リオンは困惑する




「記憶って曖昧なの。何かの拍子にフッと思い出したりね。だから…貴女の育った場所、貴女に関係する場所へ」



「行こう!!!リオン!私も行くから!」
そらよりもティアラが先に言う


「私の…育った場所」
リオンは目を伏せる


「もしかしたら、そこでリオンの見たという文書もあるかもな」
鬼道は賛成するように言う



「ね?大丈夫。誰もリオンの過去を知りに行くんじゃない。リオン…大丈夫だから、私と行こ」

ティアラはそう言いリオンに手を差し伸べる



--- 過去を知りに行くんじゃない?
  
  記憶を探りに行く?

   私に手を差し伸べてくれる人

  今まで、この人に助けてもらってばかりだよ…
  
   今まで、この人の“光”に助けられた

  


  私は独りじゃない。今は…今だけは

   なら、きっと向き合うのは…現在(いま) ---


リオンは震える手を伸ばす




「よし!決まり!!」

明るく楽しそうな声が響き渡る