二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: そこに空があるから [inzm] ( No.423 )
- 日時: 2012/05/18 20:42
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
88話「集いの巫女の聖地」
冷たい風が吹く様な
生温い風が吹く様な
とてもいい気分がするものではない階段を下っていた
「長いわね」
そらが沈黙を破り言う
「はい」
リオンが短く答える
「…うん」
ティアラは少し静かに答えた
階段の下は暗闇で見えそうにない
そんな階段を下り終えると-----------------------------------
「これは…」
リオンが驚きの声を上げる
「凄い」
そらが目を見開きひと言言う
「此処は…」
*
「負けたくないから」
少女は言う
長いサイドテールを揺らしながら
「間違って…います」
少女は言う
長いツインテールを揺らしながら
《任せます。貴女方に…どうか、どうか-------------------------------------》
*
「私は、今まで間違いをしてきた。今まで…間違いで勘違いで…だからこそ、私はやり遂げたい」
少女は言う
ウェーブのかかった髪を揺らして
《信託はいつでも貴女のもとに…》
*
「知りたい。あたしは…知りたいの」
少女は言う
黒髪をなびかせて
《そうね…貴女なら、できるわね…きっと》
*
「沢山の人が傷ついた。どんな理由があっても…それは許されない。だから私は、戦う」
少女は言う
ポニーテールを風に遊ばせながら
《確かに…貴女たちなら、あのときとは違う未来をみつけれるかもしれない》
*
淡い光に包まれた場所
崩れることなく保たせる古代の産物
「此処は…」
そらは文字が書かれている方へ歩く
「…『ここにくるものは、だれなのか。それともだれもこないのか?
もし、ここにきたものが“ちから”をもとめるならばかそう
ただ、このせかいの“きぼう”をたやさないためにつかってほしい』
そらは文字を読み上げた
「そら!リオン!!」
ティアラが2人を呼ぶ
「どうしたの?」
「どうかしましたか?」
「これ」
ティアラが指をさす
そこには
<ここ“つどいのみこ”のせいち>
「“集いの巫女”?」
そらが声を出す
「聖地って…それに巫女ってことは、ここも古代の…巫女たちの遺跡の1つってことですかっ?」
リオンが言う
「集いの巫女…すべての巫女の中心であり、すべての巫女の上となる者」
ティアラが言う
「ティアラ?知ってるの?」
「聞いたことはあるよ。知ってるのは本当に少ないんだよ。私も、小さな頃に1回聞いただけ」
「集いの巫女…それが、キーなの」
*
--- 誰でもいいよ
この“連鎖”を終わらせてくれるなら
あたしの出来ることなら、なんでもするから
なんでも、あげるから
あたしの目でも心臓でも、なんでもあげるから
だから…誰か、とめてよ。終わらせてよ
嗚呼、そう思うことすらが…彼方に対する裏切りなのね
どうすれば、よかったの
あたしは…あたしには…
「もう…なにも残ってないよ」
もう、此処しかないの、に…。 ---
「ごめんな。俺がもっとはやくに言えばよかったんだ『間違っている』と----------」
男は言う
男は消える
ひと言言い残して
「------------------------------------------------------------------------生きろよ」