二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: そこに空があるから [inzm] ( No.429 )
- 日時: 2012/06/01 23:43
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
90話「操縦者」
集いの巫女---エナはいう
《貴女には知ってほしい。これから、戦いに行くことになる貴女には》
「何を…」
そらは恐るおそる聞く
《それは----------------------------------------------------------------------》
エナが語ろうとすると同時に大量の光がこの空間に割って入ってきた
「それは、私も是非聞きたいな♪」
少女は笑顔で言う
「ティアラ…!」
そらはティアラが入ってきた事に驚く
《…そうですね。貴女も知る権利があります。貴女が“光”を連れてきてくれたのだから》
「ひかり?」
エナは語る
《千年前、私たちは世界を滅ぼそうとしている少女を知りました。彼女が、そんなことをするなど思えませんでした
だけど、ソレは起こりました。私たちは彼女を“悪”とみなし…追い詰めた
でも…それ自体が、間違いだった。》
エナの表情が曇る
《罪を背負いました。私たちは、巫女は…大きな過ちを…。彼女は、彼女の気持ちも知らずに
決めつけて、勝手に嘆き悲しみ、彼女を分かろうとしなかった
それがどれだけ愚かなことか…今となって気づきました。私は…》
エナは微かに目に涙をため言う
《私は…“集い”を主とする巫女なのに。集いを忘れてしまった》
「集いとか、罪とか難しいことはわからないけど…私たちは大丈夫だよ」
ティアラは言う
「現在の集いの巫女には…操縦者がついてる」
強く言い切る
《…そうね。貴女が、操縦者だものね。集いの巫女を守護する者、その光は運命すらも左右する》
エナは微笑む
「ティアラが…守護者の1人」
《思念体となった私が、ここまで話せたのはここにずっと闇がこなかったから
だけど、貴女たちはここに導いたので力を使ってしまったわ。もう…私も消えるわね》
「そんなっ!」
《いい?闇の深い場所に彼はいる。彼女もまだ繋がれたまま…貴女たちは絶対に“今”を手放していけない
大切なのは、貴女たちの思いよ》
そういうと同時に空間は消えそらたちはもとの遺跡にいた
「…集いの巫女」
「私たちが来たせいで闇が少し入ってきたのかなぁ〜」
ティアラが呑気に言う
「あ…2人とも。見つけました」
駆け寄ってくるはリオン
リオンの手には1冊の文書
「それがっ?!」
「おそらく…これです」
「リオン〜!」
ティアラが抱き着く
「おなかすいたぁ」
「クレープ持ってきたんじゃないんですか?」
聞くと
「もう食べて残ってないよぉ〜」
そらはそれを遠目で見ていた
「和むなぁ。日常って感じで」
そらが思い出すは集いの巫女、エナが見せた千年前の光景
それは、ご丁寧にそらの大切な人たちの姿で映し出されていた
そらは拳を“ぎゅ”って握りしめる
そのあと笑って言う
「なら帰ろう。城に着いたら私がクレープ作ってあげるわ」
--- エナは言っていたわ『この先の未来は貴女方が決めてください』と
なら、まだ未来はある
絶対に…千年前とは違う答えにたどり着いて見せる ---