二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.435 )
日時: 2012/06/20 19:49
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 92話「言っておきたいこと」

あの日、あの時、君のあの顔を僕は忘れない

だから…誓ったんだ

次、会う時は-------------------------------------






「ラティア姫。全員揃いました」
美月が静かに告げる

「これから言うこと“嫌”というなら強制はしないわ」
ラティアが言う

その言葉にその場にいた全員が驚いた様な表情をする


ラティアの言葉は一国の“姫”としての権限がある
そのためラティアの言うことは大半がよっぽどのことがないがぎり断らない
そして、ラティア自身もそのことを分かっているため無理は言わない
だがそんなラティアが『“嫌”なら強制はしない』と言った
そのことに驚きを隠せないのだ


「これから、私は…“シャズンズ”へ向かうわ」

「え?シャズンズって…千年前に滅んだんじゃ」
疑問が飛ぶ
「えぇ。けど、国そのものが消えたわけじゃないわ。今でも孤島としてこの大陸に存在しているわ」

ラティアが真剣な眼差しで全体を見回してから言う



「そこには、何があるか分からないわ…何があっても、可笑しくない。責任もすべて持つことは
 私でも不可能よ。けど…それでも、私は--------------貴方たちについて来てほしい」

ラティアがそう告げ頭を下げる

「!…ラティア」
かがりが息をのむ様に言う

「ラティアが…」
ティアラが呟く

今まで誰よりも近くで、誰よりも長く彼女を見てきたティアラだからこそ、ラティアの行動に驚いた
だが、変わった妹の姿を喜ばない姉がいるはずがない

ティアラは小さく笑う



「いつまで頭下げてるの?」
いつになく凛とした声が響く

その声で頭を上げるラティア
そしてその声の持ち主を見る

「あたしたちは、もう巻き込まれてるのよ?今更『嫌です、行きません』なんて言う奴いないわよ」
かがりが言う

「そうそう。私たちはラティア、貴女だから今まで文句言わずにやってきたのよ
 もしコレが国民の事を考えず、自分の欲しか頭にない奴だったら命令でも私はきかないわ
 だけど…ラティアはこの国の姫である前に私たちの友達なんだよ」
そらが言う

「かがり…そら」

「今更ですよ。今ここで『行かない」なんて言ったらこれから一生後悔します」
「ラティアー!大丈夫!!あたしは行くよ」
つらら、澪が言う

「ラティア姫。私たちは、貴女の言うことはなんでもききますよ。それは姫としての貴女だからではなく
 友…としての貴女だからですよ」
ゆうりが静かに言う

「あぁ!俺たちだってついていくぞ!」
円堂たちが言う

「ラティア。行こう」
「一緒に行きましょう。ラティアちゃん」
舞衣香、菜乃香が言う



「ラティア姫。今更ですよ…本当に!今まで私たちの何を見てきたんですか?」
美月が言う
「誰1人とて貴女を1人で行かそうなんて思う人…此処にはいない。知ってるでしょう?
 仲間思いな人ばかりだと」
美月が笑って言う



「ティアラ姫様?」
リオンがティアラを見る
「…ラティアは幸せ者だなぁ〜こんなに、思ってくれる仲間が、友達がいて」
ラティアとその周りにいるそらたちを見て言う
リオンは一瞬目を見開くがすぐに“やれやれ”と言うようにため息をする

「何言ってるんですか。あの人たちは貴女の仲間でもあるじゃないですか」


「…そうだった」
ティアラは笑いその輪の中へ入る








あの日、あの時、彼方の表情が忘れられない

私の犯した罪

だから、願ったの


彼方が------------------------------------------