二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.448 )
日時: 2012/07/16 19:30
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 96話「それぞれの戦い」

--- 来てしまった

   よりによって、1番戦いたくない人が… ---


振り向く朱色の髪の少女
緋色の目は悔やむような輝きを放っていた

豪炎寺が敵と判断し刀を抜くがそれをゆうりが制する

「ゆうりっ」
豪炎寺がゆうりを見るがゆうりは豪炎寺を見ない
彼女が見るは目の前の少女

「…私は、貴女とは戦いたくないの-----------------------リン」

リンは静かに言う
「それは、私もだよ。もう…みりあの大切な人を物を傷つけたくない」
「なら…」
「でもね、無理なんだよ。だって、貴女はここに来てしまった」

「私は、戦わないといけない。みりあの守った人を傷つける事はいやだけど
 それでも…私は戦う。貴女が私の敵だから…!」
リンの目は強く覚悟の色を見せていた





「ようやく来たか」
通路を抜けた先にいた少年
よく目立つ緋色の髪
冷たく見える緑色の目

「…ルイ君」
つららが息をのむ
「お前らか。まったく、戦いたくない奴が来やがった」
ルイが呟く
「僕たちは出来れば君とは戦いたくないのだが」
吹雪が言うと
「それはできねぇ相談だ。俺にはやらねぇといけない事がある
 それに、ここに来ちまったお前たちは邪魔なんだ」
それを聞いた瞬間に鬼道が構える

「なら、こちらも全力でいきます。私たちは彼方に勝って、貴方方を止めます!」





「っ!」
無数の矢が飛び交う
「強い…!!」
漆黒の髪が宙を舞う
「澪!」
「風丸!手を出すなよ。あたしが、あたしが戦う」
澪は目の前の少女との戦闘の最中そう言う
「手出すなって、出せねぇよ。お前の戦いに」
風丸が呟く
「風丸君、でも準備はしておいてください。彼女は…心結さんは強いです」

栗色の少女の瞳は光がなくただ、人を倒すためだけの人形と化していた

それを見る青色の髪、黒色の目の少年---イクトは辛そうな顔をしていた
「…ミユ」





「で、この状況ってなんなのかしら?」
嫌味たっぷりに舞衣香が呟く
「さぁ。少なくとも僕は知らないね」
目の前にいる見るからに強そうな魔道師を見て言う

「てか、円堂アンタのせいよ。あんなとこでトラップに引っかかるから」
「普通は誰も引っかからないよーインラス王」
舞衣香に続きルーナが文句を言う
「俺だってわざとじゃねぇよ?!」

「言い合っている暇はなさそうですよ」
菜乃香が言う
「えぇ。感じる魔力の大きさ…かなり強いよ」
秋が付け足す様に言う
「面倒だなぁ」







--- もうすぐ時間がくる
  
  あいつ等がここに来てしまう
  
  あたしは、戦えるの?

 

  違う、戦って勝たないといけない

  あの場所に近づけちゃいけない

  

  …本当に、あたしはソレを望んでいるの? ---


「時が止まればいいのに…」

誰にも届かない声は響くことなく儚く消え散った