二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: そこに空があるから [inzm] ( No.454 )
- 日時: 2012/07/27 20:03
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
98話「彼女の思い」
くるしい
なんで、わたしがなにをしたの?
ねぇ…おしえてよ。わからないの
おとうさん、おかあさん。わたしのことが、キライなの?
いやだ。かえりたくない。だって、家には…おとうさんとおかあさんがいる
いたいのは、イヤだよ
どうして…わたしが--------------------------------------------
リンがわるいこだから?
*
何もわかっていない
彼女は言う
冷やかに、冷たく
「どういう、こと?」
夏未が沈黙を破り聞く
「そのまま。私は、私たちは1人だって無理やり戦っている奴なんていない!!!」
リンが強く言い切る
「どうして」
「さっき、誘拐って言ったよね?ちがうよ。私が、自分の意志であの檻(いえ)を出たの」
静かに、はっきりとリンは告げた
「ほんとうに、わかってないね」
*
--- だめだ。やっぱり、あたしに止めは刺せない
どうすれば…いいの。姉様っ!! ---
「っ!!姉様…」
ミユの槍を澪のロッドで止めている
「だめだ。ミユは今、紅の道化師のことを覚えてない。このままだと、本当に」
イクトが言う
「おい!お前!!なんでお前は…」
近くにいた風丸が詰め寄る
「…俺はできるなら、もうミユに罪をかぶせたくない。犯してほしくない」
イクトは言う
「もともと、ミユはこっち側の人間じゃないしな」
--- そうか。賭けるしかない
これでも、倒れても悔いはきっとないしね
心結姉様。あたしは、決めましたよ ---
澪はロッドを捨てた
「澪っ!?何やってんだ!!」
風丸の声が響く
「ほんと、何、やってるんだろうね」
澪は小さく笑う
「あぁぁぁあ!!!!」
ミユの蹴りがヒットし飛ばされる
それでも澪は立つ
「気が済むまで、やればいいよ。いつも、姉様に頼って、甘えてたあたしへの罰なんだ」
『絶対にいつか追いつくもん』
『あたしだって出来る!!姉様よりも絶対強くなるの!』
『貴女は誰よりも、強く、だれよりも優しかった』
聞こえないはずの声
知らないはずの記憶
「澪の憧れは、いつまでも姉様です」
小さな声はよく響いた
「あたしは、どんな心結姉様も受け入れてみせます。だから、すべて…ぶつけてください」
声と共に一筋の涙が頬を伝う
「思い出して。取り戻して。貴女自身を…。あたしの憧れた、貴女に…」
晴れやかな笑顔で彼女は告げた
「大好きです。心結姉様」