二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: そこに空があるから [inzm] ( No.487 )
- 日時: 2012/09/08 16:12
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
106話「レオンという少年」
「帝王ゼレフに乗り移られた哀れな少年—————
—————————“レオン”の事を」
氷裏は言う
「レオン?それが…」
ラティアが聞く
氷裏は頷く
「そう…あたしたちが信じるのはレオンだけ。あたしたちは、レオンがいたから今…生きている」
「(レオン…)」
1人目を微かに見開いていた
「それで、そのレオンが乗り移られたってどういう意味なの」
アフロディが言う
*
「私は知っていたの。彼が、レオン君が闇に囚われつつあるという事を」
心結は言う
「それを祓おうとしたわ。でも…強すぎて…祓うことおろか、私の記憶も感情も封じられてしまった」
「俺もだ。知っていたんだ…でも、俺を助けてくれたのは彼奴で。此処にいるのは俺の仲間で
彼奴を否定するということは、此処にいる奴等を否定することだ。だから…何もできなかった」
心結に続くイクトが言う
「…心結。帝王は何をしようとしている?そして、そのレオンという奴は」
風丸が聞く
「…帝王は世界を終わらせようとしているわ。きっと…レオン君は…」
「レオンは、俺たちの様な奴が救われる世界を作りたかった。それが、レオンの望みだ」
「…どうして。どうしてそんな人に闇がっ」
澪が言う
「簡単よ。光が強いと言う事は闇に染まりやすい。彼は…自分の罪を知っていて、自分の闇を知っている」
*
「レオンはお前は助けると言った。レオンの…否、帝王の力があればそれは可能だ」
ルイは言う
「帝王だって分かっていたの?分かっていたのに…手を貸したのっ?!」
ユノが責める様に言う
「お前の話を聞く限り、帝王に乗り移られたレオン。それを知っていた。
手を貸すべきではない。それぐらい分かるだろう」
「レオンって人が悪いの?」
鬼道、春奈が言う
「違うっ!!!!」
ルイが強く言う
「レオンは悪くねぇ!レオンは…俺たちは救ってくれた…それに、帝王の言葉じゃないって
俺は帝王の力を充てにした。だけど、俺が信じてたのも、俺が従ってたのも…レオンだ!」
「…レオンさんを助けたいよね」
つららが言う
「なら、ここにいたらダメだね。行こう」
つららが立ち上がりルイに手を伸ばす
「あぁ!今までの礼を全部する!!」
*
「あたしとレオンが出会ったのは、5年前」
氷裏は静かに言う
「あの頃、あたしは…“道具”だった」
“ねぇ、世界がこんなにも広いと教えてくれたのは彼方なんだよ”