二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.487 )
日時: 2012/09/08 16:12
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 106話「レオンという少年」


「帝王ゼレフに乗り移られた哀れな少年—————




 —————————“レオン”の事を」


氷裏は言う

「レオン?それが…」
ラティアが聞く
氷裏は頷く
「そう…あたしたちが信じるのはレオンだけ。あたしたちは、レオンがいたから今…生きている」

「(レオン…)」
1人目を微かに見開いていた

「それで、そのレオンが乗り移られたってどういう意味なの」
アフロディが言う





「私は知っていたの。彼が、レオン君が闇に囚われつつあるという事を」
心結は言う

「それを祓おうとしたわ。でも…強すぎて…祓うことおろか、私の記憶も感情も封じられてしまった」
「俺もだ。知っていたんだ…でも、俺を助けてくれたのは彼奴で。此処にいるのは俺の仲間で
 彼奴を否定するということは、此処にいる奴等を否定することだ。だから…何もできなかった」
心結に続くイクトが言う

「…心結。帝王は何をしようとしている?そして、そのレオンという奴は」
風丸が聞く
「…帝王は世界を終わらせようとしているわ。きっと…レオン君は…」
「レオンは、俺たちの様な奴が救われる世界を作りたかった。それが、レオンの望みだ」

「…どうして。どうしてそんな人に闇がっ」
澪が言う
「簡単よ。光が強いと言う事は闇に染まりやすい。彼は…自分の罪を知っていて、自分の闇を知っている」







「レオンはお前は助けると言った。レオンの…否、帝王の力があればそれは可能だ」
ルイは言う
「帝王だって分かっていたの?分かっていたのに…手を貸したのっ?!」
ユノが責める様に言う
「お前の話を聞く限り、帝王に乗り移られたレオン。それを知っていた。
 手を貸すべきではない。それぐらい分かるだろう」
「レオンって人が悪いの?」
鬼道、春奈が言う


「違うっ!!!!」

ルイが強く言う

「レオンは悪くねぇ!レオンは…俺たちは救ってくれた…それに、帝王の言葉じゃないって
 俺は帝王の力を充てにした。だけど、俺が信じてたのも、俺が従ってたのも…レオンだ!」

「…レオンさんを助けたいよね」
つららが言う
「なら、ここにいたらダメだね。行こう」
つららが立ち上がりルイに手を伸ばす

「あぁ!今までの礼を全部する!!」






「あたしとレオンが出会ったのは、5年前」


氷裏は静かに言う







「あの頃、あたしは…“道具”だった」





“ねぇ、世界がこんなにも広いと教えてくれたのは彼方なんだよ”