二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: そこに空があるから [inzm] ( No.77 )
日時: 2013/02/11 16:44
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 14話「南の魔物を放した男」

「行ったか…」
つららと春奈が“祈りの巫女”へと移動は初めて
2人の姿が見えなくなった頃
「…で、アンタはいつまで其処に隠れているつもり?」
かがりは魔物と戦った場所から少ししたところにあった木々に向かって言う

「…ばれていたのか」
木々から出てきたのは男
「えぇ。あたしがアンタ程度の隠しきれていない気配ぐらい」
かがりが余裕の笑みを浮かべて言う
「そうか。なら、俺がどうして此処にいるかもわかっているのか?」
「…あの南に生息する魔物を北に送り込んだのはアンタだね」
「ああ。上の命令でな」
「(上?組織があるのか…)」

段々天候を荒れ風が出始めている
「さぁて、ばれたからにはお前を生かして帰す訳にはいかないんだな」
男は静かに言う
「そう。あたしも、犯人を見つけたのに何もしないで逃がす訳にはいかないのよ」
かがりは不敵な笑みで男を見る

「あまり、子供を手にかけるのは趣味じゃないだけど…なっ」
そこ言葉が合図だったように戦闘が始まった


「≪フレイム・スライサー≫!」
炎の刃がかがりに迫る
「≪水冷弾≫」
かがりは炎の刃を水の弾丸で止める
「アンタさぁ、さっきの見てなかったの?あたしは水属性♪」
「あー!そうだった…ガキだと思って色々見てなかった」
男は悔やむように言う
「(馬鹿だ)で、どうして魔物を?」
戦いながらも相手から情報を聞き出そうとするかがり

「≪ウッド・ハンマー≫!!!そりゃ、上からの命令だからな。だけど、これで終わり。此処には用がない」
地面から巨大な木、それがかがりに襲い掛かる
「っ!草属性?!なら≪漆黒蝶舞≫!!!!(用がない?)」
黒い蝶が一斉に舞う
蝶は男の周りを優雅に舞う
「な、何だっ?焼き殺してやる!≪フレイム・スライサー≫!!!」
炎の刃は黒い蝶を焼き殺し…てはいなかった

「…≪漆黒蝶舞≫この蝶達を見た時からアンタはあたしの世界の住人…この、幻想世界のね」

かがりが静かに告げる

「幻想?幻覚だとっ?!!」
男が理解した時は遅かった
「!!!」
男の足場が急に沈んでいく
「何?!沈んで…いるっ!≪深緑鎖≫っ!!!!!!!」
男は叫ぶ
すると緑の鎖が男を沈みから救う

「(ふーん。中々…でも、幻想の世界ではそれは、無意味)」

「うわぁぁぁあ!!≪フレイム・スライサー≫!!!!」
男は焼きが回ったか、炎の刃の乱れうち

「あ…これ、やばいかなぁ」
デタラメに撃っているがデタラメだからこそ動きが読めない

「っ!」
手前の刃の避けたせいで後ろから迫る刃に反応しきれない
「………」

だが、かがりは無傷
「ふぅ、間に合ったね」
にこやかな笑顔
「何で…アンタがっ」
かがりが目を見開き言う
炎の刃は突然現れた少年が防いでいた
「さぁ、なんでだろうね?≪光ノ風≫」
少年はかがりを抱え、眩しく、強い風を放つ

「≪桎梏≫」
かがりが男を捕まえる

「相変わらず、かがりの幻想空間は凄いなぁ。一歩間違ったら僕も巻き込まれたよ」
少年は笑いながら言う
「…大体、防がなくてもアレはあたしには当たらないのに」
かがりがサラっと言う
「えぇぇえ!?何で」
「幻想の中の真実」


「で、此奴から情報聞くよ。馬鹿亜風呂」
「せめて、『ディ』もつけてよ。もしくは昔みたいに名前で」


「俺は何も言わない」
男は言う
「はぁ、言ってくれないと困るんだよなぁ」
やる気の感じない声でかがり言う
「1つだけ。俺は今日、此処に放した南の魔物を倒しに来た『もう用がない』って上がなぁ」
「だから、上って何よ」


かがり、アフロディが情報聞き出そうとしていると

「情けないねぇ…どいつもこいつも。悪いけど、そいつは連れて帰らせてもらうよ」
突然響いた声

突然、強まる風

風の音以外の音---声
「俺の名は“フーガ”嬢ちゃん、子供の癖にやるな。今度は俺が勝つからな」
と言う男の声

「行くよ。此処にはもう用はない」
と言う女の声



「逃げられたっ」
かがりが悔しそうに言う
「…取りあえず、セントラルに戻ろう。そして、報告だ」
アフロディが言うと
かがりはそれを無視し、歩き出した

「(結構、大きな組織みたいね。助けに入った奴は…きっとあの“フーガ”とか言う奴より上…
  面倒な事になってるみたいだけど…取り合えず、つららと春奈と合流してセントラルに帰らないと…)」