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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブンGO 雪の天使 ( No.7 )
- 日時: 2011/11/17 18:03
- 名前: 真由 (ID: NGqJzUpF)
2 Nice to meet you,それから。
少女は息絶えていると思った。
雪原での死亡事故は珍しくはない。
実際、僕の父さんと母さんと弟も雪崩に飲み込まれてしまった。
あれからいろいろあって・・・それでも、ここに僕はいる。生きている。
仲間と出会い、「完璧」になれた。世界一にもなった。
そして今度は白恋中学校サッカー部の監督。
「完璧」になり成長できた僕でさえ、まだ家族の死は辛い。
少女の家族は悲しむだろう・・・想像するだけで僕まで悲しくなる。
アツヤ、聞こえているかい。
女の子が死んでしまった。
君と遊んだ木の下で。
とりあえず・・・、とりあえず確かめよう。
生きている可能性だってきっとあるよ。
かがんで顔を覗き込むと、中学生くらいの子だった。
西欧人形のような愛らしさ。
白い肌に漆黒の髪が映えている。瞳もさぞきれいなことだろう。
「・・・生きたいのか、死にたいのか。自分の意志で決めろ」
アツヤなら、こう判決を下すはずだ。
なんとなくの呟きに、少女の口元が、かすかに動いた。
まさかのできごとだけれども、アツヤの判決文ならばありえる。亡霊のなせる技といったら、それこそ超次元を遙かに超えてしまう。
「君は生きているね?」
きつく尋ねると、予想外にしっかりとした声で少女は答えた。
うっすら赤い唇が開く。
「・・・だから、何。わたしは死ぬんだ。ほっといてくれ」
自暴自棄な美しい少女。
むろん、放っておけるわけがない。
「助けていいのかな?」
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