二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【テニスの王子様】 お茶のお供に、甘い話。  ( No.20 )
日時: 2011/11/29 15:41
名前: 生死騎士 (ID: IhKpDlGJ)


○ 『風邪』(六角)



「おばさん、今日頭痛いから学校休んでもいい?」

「え・・・いいけど・・・大丈夫?熱は?」

「んー分かんない・・・。」

「そう。じゃあ上で寝てなさい?私が学校に電話しておくから。後で体温計と薬持って行くわ。」

「ありがとう・・・」

トントンと階段を上る。
いつもよりゆっくりした動作だけれど、いつもより幾分も体が動かなかった。
そのままドサッとベッドに倒れこむ。


数分後、おばさんが持ってきてくれた体温計で体温を測ると、中学に入ってからまだ一度もお目にかかれていない数値を示していた。
今学校で流行っている風邪がうつったのだろうか。

体が丈夫なことで有名な私がこんな熱を出すのは生まれて二回目だ。
一回目は、小学校4年生の時。
やはり学校で流行っていた夏風邪にかかった。
そのときは、確かサエが毎日様子を見に来てくれたんだっけ・・・?

そんなことを思い出しながら、私は何時の間にか重い瞼を閉じていた。


夢を見た。
私が夏風邪にかかった日の夢だった。




『蓮、だいじょうぶ?』

『・・・うん、ちょっとしんどいだけ。』

『あんまり無理しないでね?バネとかも心配してるよ。』

『ごめんね・・・。っていうかサエも早く帰らないと、お母さんに怒られちゃうよ?風邪もうつっちゃうかも・・・』

『いいって、俺はうつんないから。それより俺が帰ったら、蓮が寂しいでしょ?だから今日はいっしょにいる。』

『でも・・・』

『いいから。』

『ほんとに?』

『うん。蓮がちゃんと寝れるまで、いっしょにいる。』

『・・・ありがと、サエ・・・』



眠りにつく前とは違った温もりを感じ、私は目を開けた。
と、そこには・・・

「あ、おはよ。気分はどう?」

私と同じ目線で微笑む、サエの姿と、

「差し入れのコーヒーゼリー持ってきたけど、食うか?」

顔は見えないけれど、私の背後から話しかけてくるバネの声。

・・・?
・・・・・・
いやいやいや、ちょっとまったぁ!!!!!
私のぼんやりしていた思考が一気に正常に戻る。

「なんでこんなことになってんの!?」

状況を説明すると、私を挟んでサエとバネが添い寝状態。
しかもベッドが一人用な為、少しの隙間はあるものの、ぎゅうぎゅう密着状態。

「だって、お見舞いに来てみたら蓮が凄い苦しそうに咳してるし、頭とか首以外は驚くぐらい冷えてたし。」

「だっ・・・だからって添い寝は無いでしょ!?」

「あと俺達も部活で疲れてちょっと休みたかったんだよ。なぁ、サエ?」

「そうだね、バネ。」

顔を見合わせ笑う二人。
そういえば確かに倦怠感は残るものの、先ほどよりも体が軽くなっている気がする。

「剣太郎がね、蓮が来てないって大騒ぎしてたんだよ?あと亮がこれでもかってぐらい髪いじってた。」

「・・・それいつものことじゃない?」

「いつも以上に、だよ。」

「そっか・・・」

何か皆に心配かけたな・・・
と思っていると、二人がぎゅうっと抱きしめてきた。

「ちょ・・・」

「そんな暗い顔しないでよ。」

「そうだそうだ。早く風邪治して来りゃあいいだけだろ?」

ああ・・・
前と同じサエの笑顔。
安心させるような。

「・・・うん。」

二人の言葉に小さく頷くと、私は再び目を閉じた。





── アトガキ ──

「もう!二人とも私の風邪がうつるってどういうこと?」
「なんかしたの、蓮さん?」
「なにもしてないっっ!!!」

お約束です。二人ともうつりましたww
俺も風邪ぎみ・・・
喉いてぇ・・・
頭いてぇ・・・
気持ち悪い・・・
なのにパソコンは外せないっていう、悲しき厨二の性。