二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【テニスの王子様】 お茶のお供に、甘い話。 ( No.24 )
- 日時: 2011/11/30 20:04
- 名前: 生死騎士 (ID: IhKpDlGJ)
- 参照: 最近本気で液晶画面が邪魔だと思う。
○ 『私が一番好きな空』(山吹)
澄み渡った、青い空。
季節は冬だけれど、太陽に暖められた気持ちのいい風。
私は校舎の屋上に来ていた。
正確に言えば、屋上のさらに上・・・給水タンクの置かれた一段高くなった場所。
ここは私の特等席だ。
どんなに凄いスターのライブの一番前の席よりも、特別な席。
何故ならここは、学校で一番高いところだから。
一番空に近い場所だから。
私は空が好きだ。
今日のような青空も、満天の星空も、いまにも雨が降り出しそうな曇り空も。
果ての無い、どこまでも高く続く、空が好き。
嫌なことや悲しいことがあったときは、必ずここに来る。
そしたら少し楽になれるから。
こんなことで挫けてられない、明日も頑張るぞって気持ちになれるから。
今日の出来事を思い出し、自然と目頭が熱くなる。
そんなときは・・・
「泣き虫悠飴ちゃん、みっけ。」
段の端っこからひょこっと顔を出す彼。
千石清純。
私がここに来ると、決まって彼もここに来てくれる。
「またなんかあったの?」
「うん、そんなとこ。」
今にもあふれ出しそうな涙をぐっと堪えて、笑う。
すると彼は梯子を上りきり、私の隣まで来るとストンと座った。
「別にいっつも来てくれなくてもいいのに。」
少しそっぽを向いて言うと、
「女の子が泣きそうなのに、ほっとくワケ無いでしょ?」
と返される。
そこが彼らしくて、つい笑ってしまう。
すると緊張も解けて、我慢していた涙も零れてくる。
「どーぞ。」
千石が両手で軽く自分の足を叩く。
それに甘えるように、私は体を傾けた。
千石の膝枕。
彼の細い指が、私の髪を優しく梳いていく。
「・・・ありがと、千石。」
「どういたしまして♪」
私はこの場所で、心行くまで泣くことができる。
そこでふと、思ったことを口にしてみた。
「私」
「ん、何?」
「私、千石に髪梳いてもらうの好き。」
すると彼は一瞬驚き、そしてふっと笑った。
「俺も悠飴ちゃんの髪梳くの、好きだよ。」
「そう?」
「悠飴ちゃんの髪、綺麗だし、サラサラだし。」
「・・・髪だけ?」
「悠飴ちゃんも!だからさ、俺とつきあっ・・・」
「だが断る。」
「なんでっ!?」
だって千石、他の女の子にもそう言ってるでしょ?
がっかりした千石の顔が面白くて、涙の伝う顔で笑う。
辛い事も悲しいことも、全部吹き飛ぶぐらいに。
私は空が好きだ。
今日のような青空も、満天の星空も、いまにも雨が降り出しそうな曇り空も。
果ての無い、どこまでも高く続く、空が好き。
でもね。
私が一番好きな空があるの。
君の髪と同じ色。
綺麗にオレンジ色に染まった、夕焼けの空が大好きだよ。
── アトガキ ──
書いてるとだんだん自分が何を書きたいのか分からなくなってくる(汗)
髪の毛いじりネタは某友達から。
今日その子の家で話してたら、髪いじられまくった結果ですww