二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.110 )
日時: 2012/03/17 19:11
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: u5JYbeHw)

第十四楽章














天井がない、オペラハウスの中。

そこには、サッカーのコートとは思えぬ、舞台があった。



「どうだ、ただのサッカーグラウンドじゃあ見飽きただろう?」


和奏は、毒のある笑みでこちらに微笑みかける。



「…随分と凝った趣味だな。」


「音楽を愛しているからな。」




和奏は、今度は少し切なそうな顔になった。

と言っても、一瞬だけどな。




「…さぁ、そろそろ試合をするか。」


「結構早いな。」


「敵と慣れ合う事は出来ない。」



そう言って、俺と和奏は背を向けた。








            ♯         ♯        ♯








試合開始の音楽が流れた。


「ホイッスルじゃないのか。」


どうやら、ルールなどは和奏が決めているらしい。

この音はパイプオルガンだ。少し和奏に教わった事がある。











豪炎寺が、吹雪にパスをした、その時だった。












「あら、遅いわね。」



エルザが、そのパスを遮った。

一瞬のうちに二人の下へ駆けつけ、一瞬でボールを奪ったのだ。



「速い!?」


「ティル!今度は貴方の番よ!」



そう言ってエルザはティルにパスを送る。




「こっちに来いよ、雷門さん達。

 遊んでやる、度が行き過ぎた悪戯でな!!」





笑う、笑う。








              ♯         ♯      ♯








全てが一瞬だった。



一瞬のうちに点を入れられ、傷付けられ、笑われ、蔑まれた。



生き地獄、とはこのような事を言うのだろうか。




「クスクス…あら、もう満身創痍?」

「しょうがない、ずっと平和に生きてきた人間だからな。」

「そうね、来るs実を味わってきた私達とは勝負にならないわ。」



そのような言葉をささやかれ、俺は一気に背筋が震えあがった。





































———怖い。













後ろから、声が聞こえた。


とってもとっても、冷めた声。




「人間という生き物は、暴力よりも、暴言の方が心に来るんだ。
 わかるだろう?」




真っ白な仮面、真っ黒な髪、冷たい言葉を吐きだす唇。









「ぁ……ファ、んと…ム……?」



























「そうだ、私の名前はファントム。

 私にぴったりの名前だろう?」