二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.119 )
日時: 2012/04/09 19:31
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: wI2AEWca)

第十八楽章















『稲妻総合病院』


豪炎寺の父親が経営している病院だ。


そして俺は、その病院の中に入った。


病室の番号を確認し、すぐさま階段で3階へと上がった。








「あぁ、風丸か。
 わざわざ来てくれたんだな。」


「そりゃあ…チームメイトが入院してるんだったら行くだろ普通。」


「そうかもな。
 けど私は嬉しかったよ。来てくれて、さ。」


「…というか、絶対安静なんだろ?
 安静って言われて、Wiiで遊ぶか?普通。
 しかもWiiスポーツだし…」


「なんでだろうな、やれって言われたらやりたくなくなるのに
 やるなって言われるとやりたくなるんだよ。」


「お前はガキ大将か!」






そんなやり取りを繰り返しているうちに、

俺はテーブルに置いてある、包装された小包に目を向けた。



「…これさ」

「あぁ、それはあの子たちが送ってくれたんだよ。
 そんな、わざわざいいのになー」


そう言う彼女の顔は、とても清らかに微笑んでいた。




「…というか、“和奏”
 お前は本当に無茶しすぎだからな!」

「わーってるって…
 流石に私も、この間のはやりすぎだったからさぁ…」




そう言って、困ったような顔を見せるが俺にはわかる。



「そんな事言って、またこの間の事を忘れたころに
 変な事をしでかすだろ、お前は…」

「あははは…そんな事ないぞ?」


そういう和奏の眼は、明後日の方向に向いていた。













「見てくれよ、このフルーツバスケット…」


そう、和奏が指差す先には、大きなフルーツバスケットがあった。


「わざわざ秋と円堂が持ってきてくれたんだよ。
 それと、この写真は音無がとってくれて…
 あと!このipotは夏未と冬花が持ってきてくれたんだよ!」


そう言って、目を輝かせながら俺に顔を向ける。


「………。」

「………。」

「…あーもう、わかったよ…」



そう言って俺は鞄から小説を5冊ほどだした。



「おぉぉ!
 これは『アルト=ハイデルベルク』に『トゥーランドット』に…
 私の好きな小説ばかりじゃないか!」

「…古書店に行って買ってきたんだが、本って高いな…」

「当然!」














「あぁ、今日は楽しいなぁ…」

「…元気すぎじゃないか?お前……」

「私はいつでも元気さ。」





「…なぁ、和奏。」

「なんだ?そんな深刻そうな顔して…」

「この間の事件…何があったか、詳しく教えてくれないか?」


「…わかったよ。」