二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.123 )
日時: 2012/04/30 18:28
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: cqAdOZIU)

第二十楽章














「まぁ、これが私の過去って事だ。
 なかなか面白い話だっただろう?」


和奏は、おちゃらけた感じで俺にそういう。


「お前なぁ…それ、笑い事じゃないぞ?」

「ばれた?」






「…と言うか、お前を陥れたのは……。」

「影山、って奴さ。
 お前らなら知ってるだろう?あの、帝国学園、元総帥さ。」



やっぱり、あの影山だった。

影山は、そんな昔から罪を犯していたのか。



「まぁ、私は別にいいけどな。今になっては。」


…当の本人が、こう言っているので、和奏はきっと影山の事は許しているんだろう。

と言っても、許そうにも、影山はもういないんだがな。













               ♪      ♪      ♪








「和奏、お前の母親は、
 今は何をしているか知ってるか?」



俺は、単刀直入に和奏に訪ねた。



「…さぁ、知らないね。」


今までより、和奏の声のトーンが低くなった。
それはそうだろう。
自分を殺そうとした、母親なんだから。




「…お前は、もし…母親が何処かに居たら、
 母親を…許すか?」




和奏の肩が、ピクリと揺れた。




「私は……」

「…お前の母さんから、手紙が来てるんだ。
 刑務所から、お前宛てに。」



俺は手紙をだし、和奏に差し出した。
和奏は少しの間、困惑しているようだったが、手紙の封を開けた。










『和奏へ


 元気にしているかしら。貴方の母です。

 本当は、貴方の母親なんて言う権利も、貴方に手紙を出すなんて権利、ないわね。

 ごめんなさい。

 私は、大変な過ちを犯してしまったわ。
 
 私の子供に、暴力をふるってしまったし、殺そうとだってしようとしてしまった。

 この手紙は、出そうか出さないかとても考えた。

 けれど、出さないと、貴方に対して、ずっとあやふやな状態になってしまうし、謝れない。

 だから、貴方のお友達の、風丸くんっていうこに、貴方に出してもらった。

 風丸くんは、私に頭を下げて、ずっと言ってたわ。

 『和奏に、謝ってください』ってね。

 とてもいいお友達ね。お友達は大切にしなさい。

 それで、ずっと言いそびれていたけれど、言わせてもらうわ。

 生まれてきてくれて、ありがとう。

 貴方は私の、大切な子供です。



 母より。』









和奏は、手紙に涙をこぼした。





「母さんッ……」