二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.132 )
日時: 2012/05/27 20:02
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: zlsHcGtF)




epilogue : 銀色の歌姫













あれから、早くも六年がたった。


俺は成人となり、サッカー日本代表に選ばれた。










「…よし、こんなものか!」


俺は、いつもの普段着を着て、出かけた。

今日は雷門中に行こうと思う。

可愛い後輩の為だからな。



「風丸ー!」

「お、円堂。」


円堂は、何処かの学校のサッカー部監督をやっているらしい。

吹雪は、白憐中サッカー部の監督、

鬼道は、確か帝国だったかな。

ヒロトと緑川は、吉良財閥の社長と秘書。

音無は…驚いた事に、雷門中で教師をやっている。

豪炎寺は……わからない。同じ代表だったのに、突然いなくなっていた。




そんな事を思い出して、俺は頭の中に一人の女性を浮かべた。





和奏は、きっと今頃、仕事をやっているんだろうな。







『銀色の歌姫』のうわさは、日本にまで広がっている。

その様子だと、かなりの人気らしい。

まぁ、あいつの歌は相当凄いからな。

CDも、かなりの売れ行きで、売り切れの店が続出。

けれど、写真などのプロフィールは一切なし。

覆面歌手と言われている。







俺が知っているのはここまで。


和奏からは手紙も来ないし、電話も来ない。


もしかしたら、忘れてしまってるんじゃないか、と言うほどだ。















気がつくと、道路に何かが落ちていた。


「…ん?」


それは、何処かで見た事がある、パステルカラーの花弁だった。



その花弁は、一本の線上に落ちていた。



「この花って…」







すると、声が聞こえた。


いや、歌だ。


歌声が、この花弁の道の先から聞こえる。


俺は、その花弁を一枚一枚拾って、歌声が聞こえる方へ歩いて行った。



















桜の花が、雪のように舞う場所で、彼女がいた。


彼女は、俺に気がつくと歌うのをやめた。


彼女の髪は、黒い外跳ね。長さはショートカットになっているが、妙にこめかみの部分が長い。
そして、目がつりあがっている。
髪には、パステルカラーの花が添えられていた。



「貴方の名前は?」



おれは、彼女と最初に会った時の言葉を言った。



「名乗るほどの者じゃない。」



彼女は、鼻で笑って答えた。



「けど、あえて言うなら…」






彼女は、雪の様に待った桜の木の下で、微笑みながらこういったのだ。





















                        「銀色の歌姫。」







       〜End〜