二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.23 )
日時: 2011/11/29 20:26
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: OmiQv8gT)
参照: ドカーンジャンプ本気で名前になってて笑った(笑)

第四楽章








なぜこんなことになった?


                          最初は、皆笑っていた。

 
          なのに、今は全員が悔やんでいる。


     一体誰のせいだ?


                                ああ、俺のせいだ。



          俺が、あのとき先頭を歩いていれば。

























                  「こんなことにはならなかったのに。」




宿舎に、虚ろな目をした和奏が現れた。




「和奏…?大丈夫か…?」


だが、何も答えない。

ただただ、虚ろな目をして、言葉を紡ぐだけだ。



「私のせいだ。

 私があの時、秋の身代わりになっていれば。

 そうすれば、秋は傷つかなかった。

 なのに、今はなんだ?
 
 私は、自分の保身ばかり考えていた。

 だからだ、ダカラ秋は傷を負った。

 私なんて……消えてしまえばいいのに。」





そんな事を、紡ぎながら、和奏は自分の部屋へと戻っていった。





     ♪  〜  ♪  〜  ♪




木野はどうやら、命に別条はないらしい。

豪炎寺が言っていた。

だが、むしろ和奏の方が危険らしい。











『なぜだか分らないが、体中にいくつも大きな傷があってな。

 殴ったり、刃物で切ったりする傷があったんだ。

 だが、その傷は最近ではなく、何年か前の物なんだ。

 それに、体以上に精神的な傷が多すぎる。

 吐血は、そのストレスのせいだろう。』




と、豪炎寺の父親が話していた。






だれが、和奏を傷つけた?





本当の黒幕は何処へ?






      ♪  〜  ♪  〜  ♪



「和奏さん、晩ごはん持ってきたんです。
 今日は、和奏さんの大好きなオムライスですよ?
 ……ここに、置いておきますね。」


音無は、涙目になりながら和奏のドアの前にご飯を置いた。

だれだって、傷ついているのに。










和奏は、いつまでたっても部屋から出なかった。

もう、3日もたっている。


そんな時に、木野が戻ってきた。






「皆、心配かけてごめんね?」

「秋!大丈夫か!?」


一之瀬は心配そうに言う。


「うん、大丈夫だよ。
 ……和奏ちゃん、は?」



それから、皆は黙った。

その光景で、木野は予想がついたのだろう。



「私、和奏ちゃんの部屋に行って、みるね。」





木野は、ゆっくりと、ゆっくりと、階段を一歩ずつ上がる。

やはり、決心がいるのだろう。







「和奏ちゃん、大丈夫?」


その後に、擦れた声が聞こえてきた。


「……秋、か…?」

「うん、心配かけてごめんね。」


和奏の返事が聞こえた時、俺たちは心底安心した。



けれど、すぐにその安心は解かれた。




























































ドアの下からあふれた、真っ赤な血。





全員、驚愕の表情が浮かぶ。





ドアを、急いで力ずくであけると、そこには、






深く病んでいる和奏と、白い仮面があった。